幼き日の自分は土曜日の朝に再放送されている遊戯王DMをよく見ていました。
ですが自分も兄も朝に大変弱く、いわゆるニチアサの時間帯にはほとんど起きられなかったのです。仮面ライダーも戦隊も見ず、それよりちょっと遅い時間にやってるおジャ魔女どれみやデジモンとか見てました。
なので遊戯王もよく見ていたという割に、本田くんが玉砕する回と遊戯がラフェールに負ける回しか記憶に残っていない程度の視聴です。
そんな、遊戯に塩を送ったうえで勝利した強キャラ・ラフェールの使うカードといえば、登場以来一切何もかもにも恵まないガーディアンたち。
ヴァロンはアーマーデッキ、アメルダは戦車に戦艦にトゥーンに悪魔とごちゃごちゃなデッキを使う中、彼のみOCG初出のカードを渡されてましたが、実際の性能がまあ悲惨なこと。
ガーディアンモンスターごとに対応する装備魔法があるのに、その装備魔法がすでにフィールドにないとガーディアンが場に出来ない意味不明ぶりにアニメスタッフも扱いに頭を悩ませたのか、バックアップガードナーという気配りが渡されました。
アニメ内の描写だけ見ればラフェールのデッキ内のモンスター枚数はヨハン以下。でも絶対に墓地にモンスターを置かない誓いはかっこいい。
その中で、通常のガーディアンよりもだいぶ遅れてOCG化したのがエアトスとデスサイスです。
アニメを見ていた当時の認識としては、「よくわからんお姉さんモンスターが攻撃力10000になって遊戯が負けた」程度のものだったので、OCG化の際にこんな効果だったのかと再確認したのもだいぶ前。
ですがこの二人が悲しみを背負っているのも事実。
《ガーディアン・エアトス/Guardian Eatos》
効果モンスター
星8/風属性/天使族/攻2500/守2000
(1):自分の墓地にモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードに装備された自分フィールドの装備魔法カード1枚を墓地へ送り、
相手の墓地のモンスターを3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、
この効果で除外したモンスターの数×500アップする。
《ガーディアン・デスサイス/Guardian Dreadscythe》
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2500/守2000
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):「ガーディアン・エアトス」が
戦闘・効果で破壊され自分の墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「死神の大鎌-デスサイス」1枚をこのカードに装備する。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分は召喚・特殊召喚できない。
(4):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
手札を1枚墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。
エアトスの(2)の効果は、専用装備《女神の聖剣-エアトス》を墓地に送ってもあちらの(2)を発動できないという根本的におかしな設計。
デスサイスはエアトスが破壊された時に手札にいないとダメだし、《死神の大鎌-デスサイス》を装備する効果は手札でも墓地でもダメ。
強制自己再生効果は役に立つものの、基本的に場にはデスサイス1体しか存在できない。
さらにエアトスは墓地にモンスターがないことを求められるのに、デスサイスはほとんどの効果が墓地に関係している相反する仕様。
まあ、エアトスとデスサイスが共存できるような存在だったら明らかによくないので……。
とりあえず当時の自分は友達いなけりゃお金もなかったので、エアトスデッキなど組むことなく時間が経ちました。
巡り巡って時代はリンクス。二度とソシャゲーはやらないと言ったような記憶がありますが、人はうそをつくのではなく間違いをするだけなのですということで……
最新弾のカードは、
・軒並み高レアの上にパーツのうち1体が1枚限定の電磁石の戦士
・エース不在のトラミッド
・そのほかお遊戯王会などドーマ編のカードたち
といった具合で、ハズレパックやらなんやらと言われてるのも目にしました。
特にダーツの使用カードながらどうにもならない産廃である《オレイカルコス・シュノロス》は《どぐう》よりもレアリティが低いです。やむなし。
蓋を開けてみれば、電磁石の戦士は回転の良さから2ターンもあればベルセリオンを簡単に出せるし、トラミッドは環境に出ることは難しそうでもまあまあ強い。それに伝説の竜に関係するカードたちは思いのほか強い……と悪くないパックだと思います。
ただ、トラミッドはサポートの永続罠が過去イベントでの入手ってさすがにそりゃどーよといった次第なんですが……。
ドーマ編パックという側面もあり、エアトスとデスサイスももちろん収録。
これはもうエアトスデッキを組むしかあるまいてということで電磁石の戦士デッキのついでに着手しました。素直に環境デッキのサブテラー組めばいいのに…
始めたばかりでカードあんまり持ってないのでこんな感じになりました。
まずエアトスは自身の(2)の効果がしょっぱめで、女神の聖剣の効果を遣おうと試行錯誤してもリンクス環境では積極的に狙いにくい。
ここはもう、デスサイスで一撃必殺を狙う以外に勝ち筋などないです。
幸い、リンクスにはそれのできるようなカードが揃っています。
1.手札にエアトスとデスサイスを揃える。
2.エアトスを出して相手が戦闘破壊してくれるのを待ったり、こちらの手で能動的に破壊。
3.デスサイス召喚。殴る。勝つ。
か、完璧だ…一分の無駄もない完璧な作戦だ…
ここは自己陶酔しておいてデスサイスの強みを挙げます。
・前準備なしに攻撃力4000〜7000がポンと出てくる。
相手のライフにもよりますが文字通りの一撃必殺も可能です。
・強靭な自己再生能力。
《狡猾な落とし穴》とかに対しては耐性があるも同然。
装備魔法が破壊されたり《星遺物を巡る戦い》やら《分断の壁》で弱体化されても、自爆特攻から再生・再装備して強引に突破する荒技も可能。
手札を捨てるコストはいくらでも余るコンボパーツとか墓地発動のカードで。
そんな有り余る火力とは反対に、多大な弱点を抱えています。いるのです。
1.リリースはもちろん、バウンスや除外など、破壊を介さない除去に対しては無力。
2.他のモンスターの召喚を封じる(セットはできる)のでコントロール奪取で死ぬ。
3.相手が毎ターン壁モンスターを召喚してくるといつまでたってもダメージが届かない。
4.《死神の大鎌-デスサイス》がないとただの2500バニラなので手札喰った挙句死ぬ。
5.手札事故。
ぅゎかなりきつい。
とりあえずそのあたりを考えてデッキを組んでみましょう。
・メインになるカード
・《ガーディアン・エアトス》
墓地にモンスターがいないと特殊召喚できる。(2)の効果は気休めだけど、墓地にいると邪魔なモンスター(タスケルトンとか)をどかすことが可能なのがベネ。
基本的には2500バニラなので、デッキ融合のはびこるリンクスではそこまで場持ちはよくありません。
それでも高ステータスなので1ターン目から手札にいるとラッキー。ただ考えなしに2枚以上出すと、ラヴァゴで始末された時とかが怖いので1枚は温存しておきたいです。
デスサイスを出せなくても彼女で殴り倒すことは充分に可能。
・《ガーディアン・デスサイス》
基本的にお荷物。手札に引き込むために2枚は欲しい。
・《死神の大鎌-デスサイス》
なんらかの形で破壊された時のためにやっぱり2枚は欲しい。
というか自爆特攻や破壊を受けた際に呼び込めないと困るので2枚必須。
・デスサイスを出すためのカード
・《炎王獣 ヤクシャ》
・《炎王の孤島》
手札・場のエアトスを破壊して手札からデスサイスを出す。
ヤクシャは自身の破壊がトリガーになるので、自分のカードで破壊しても発動は狙えます。
孤島はデッキに炎王モンスターがいないとダメですが、これ自体が魔法カードなのでエアトスの邪魔にはなりません。その代わり(3)の効果でデスサイスが死ぬ。生き返る。鎌は行方不明になる。
・《ウェポンサモナー》
リバース効果でガーディアンをサーチします。
エアトスとデスサイスの両方に対応するのはおいしいですし、ついでにガーディアンの力も引っ張ってこれます。
ただリバース効果なので、炎王関係のカードからサーチを狙えない上に奇襲性に欠けているのがネック。
第1弾のミニボックスとかいうわけわからんくらい古いパックに収録されているので自分は持ってません。
・《魔犬オクトロス》
悪魔族・レベル8専用のサーチャー。
ウェポンサモナーよりステータスは貧弱でエアトスを引っ張れないものの、フィールド上での破壊がトリガーになっているので能動的にデスサイスを引っ張ってこれます。あとかわいい。
・《狡猾な落とし穴》
言わずと知れたリミ2。
エアトスと相手のモンスターを破壊しつつデスサイスを出せれば理想的です。
オクトロスとエアトスを同時に破壊したらデスサイスのタイミング逃したりしそうで怖い。試したことない。
・勝つためのカード
・《ガーディアンの力》
インチキ装備魔法。
相手が事故っているようだったらエアトスやヤクシャにこれをつけて殴りましょう。
エアトスの効果のためにもとりあえず何か装備魔法は入れておきたいです。
女神の聖剣がまったく使えないというよりは、これが強い。
・《ギャラクシー・サイクロン》
後ろを割ってデスサイスの攻撃を通すカード。
再生コストにしても活用できるのが偉い、はず。ただ単にコズミックを持っていないだけ。
・《ADチェンジャー》
・《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
デスサイスを前に相手が守りを固めてきたら、これらで無理矢理攻撃対象を作って突破することができます。
上は炎王の孤島で墓地に落としつつヤクシャを引っ張ってきたり、デスサイスの再生コストで墓地に落とす動きができるものの、モンスターとしてはまったく使えないのがネックといえばネック。
これだけが墓地にある時、適当に発動して墓地を空にすることでエアトスの特殊召喚条件を満たすこともできます。
下はオクトロスからサーチ可能でサブテラーとかには効果的なものの、ただでさえ重いこのデッキでは存在がリスキー。
・《ネフティスの鳳凰神》
・《闇の支配者-ゾーク》
デスサイス以外の勝ち筋を考えてみた結果。
ネフティスは炎王の孤島から召喚できるものの、ステータスは上級レベルなので戦線維持には……程度。他の上級モンスターと比べると気軽に出せることと、女神の聖剣を使いたい場合にそのトリガーとなれ(る可能性があり)ます。
ゾークはオクトロスで引っ張ってきた上でバクラのスキルで。もしくは手札で腐ったエアトスやデスサイスをコストにしてでの儀式召喚を狙う形になります。
・《ヘルモスの爪》
ADチェンジャーやウェポンサモナーなど上記のカード、翻弄するエルフの剣士やマッシブ・ウォリアーなど汎用的な壁モンスターを素材にすることはできますが、基本的にマゾ。
というか、デスサイスがいる時には特殊召喚できないので発動もできないんだった。どうすればいいんだ。
一応、エアトスの効果を発動することはできます。
・スキル
・ヘビースターター(汎用)→エアトス+デスサイス+何かで条件を満たせます
・スリカエ(自分の指鉄砲で死んだやつ)→便利な手札交換
・儀式の下準備(光と闇の仮面)→要らないデスサイス(装備魔法)をモンスターに変える
・イクイップ・チェンジ(龍亞)→装備魔法が多いので役に立つかもしれない
・ゾーク降臨(バクラ)→ぅゎゾークっょぃ
ところでこのために龍亞のレベル上げをしてイクイップ・チェンジを覚えさせたんですけど、
哀しみか?????
まあ龍亞は1度に2枚の交換ができるので、一度ライフが減ったら最後次のターンには0になっているようなこのデッキではスリカエよりも有用だと思います。
実際に試してみたのはヘビースターター、イクイップ・チェンジ、ゾーク降臨の3つでしたが、
ゾーク降臨>ヘビースターター>イクイップ・チェンジって印象でした。それほど戦っていないのでわかりませんが。
・実践
じ、事故る。
墓地にモンスターが落ちていると何もできないエアトスに、手札では何の役にも立たないデスサイス(モンスター)とデスサイス(装備魔法)。
いかに早くエアトスを破壊してデスサイスを呼び出すかという血も涙も清廉なる墓地の魔力もないようなデッキではありますが、
高速でデスサイスを出すとその分除去される可能性も高くなるので、なるべく粘っておきたいジレンマ。
とりあえずエアトスとデスサイスにあとは能動的な破壊手段があればデスサイスが後ろに控えた状態で動けるので安心して戦えます。
そのような盤面を作り上げられない場合は手札交換に防御カードを駆使して揃えるピーキーなデッキ。
あとは手札交換スキルの発動とエアトスの特殊召喚条件を同時に満たすため、あえてフィールドにモンスターを出さずに相手の攻撃をライフで受けたりとか、
墓地にヤクシャ3体が落ちると完全に詰むのでヤクシャは大切に使いましょうだとか、
地味にプレイングを求めてくる要素が、なんかあります。
・デッキごとの相性(印象論)
だいたいのデッキ
→デスサイスで相手の攻撃表示のモンスターに攻撃すれば勝てる。
真紅眼は墓地にモンスターが溜まりやすいのでデスサイスがすくすく育つ。
六武衆
→エニシでバウンスされたら死ぬけど、エアトスとシエンを相打ちさせつつデスサイスを出すことができるのでうれしい。エニシはきらい。
サブテラー
→デスサイス出せても1体しか攻撃できないし除外されると終わる。
アマゾネス、ロックバーン、ネフユベル
→死ぬ…………………………
基本的にデスサイスがバウンス・除外・デッキに戻される・再生できないなどすると敗北は確実。
しかもそのデスサイスは自分の場にモンスターが1体しかいないことを求めてくる火力バカなので、壁が大量に並ぶサブテラーや剣士や急襲を有するアマゾネスの相手がキツい……
そういえばゾークはサブテラーやアマゾネスを一掃できるんだった。
さらに狙ってやることは難しいけど、エアトスやヤクシャを巻き込んでデスサイスを出せたり、デスサイスを巻き込んでも自己再生ができるんだった。
おまけに「ゾーク降臨」が使用できるバクラはその二面性がエアトスとデスサイスのイメージに合っていてフレーバー的にも素敵だった。
これはもう、ゾークデッキ。
ネフユベルがキツいのは百も承知だけどネフユベル相手に安定するビートダウンなんておそらくないので見なかったことにします。