ウツボよおどれ

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ファイアーエムブレム 風花雪月 金鹿の学級武闘外伝

 

 


多分観測圏内で、このゲームを買った人の中で一番クリアするのが遅かったんじゃないかと思う。

なにかとモチベの浮き沈みが激しく、9月から10月上旬はほとんどプレイしなかったものの、ようやくクリアしました。
おおよそプレイ時間は35時間。

 

どう言うべきかはちょっと悩むものの、このゲームは序盤から心をガッチと掴みにかかってくる。

序章からして、ディミトリとエーデルガルトの言っていることは正反対で、クロードはどっちつかずの飄々さ。
しかも3人ともお貴族様らしく、さっそく主人公を雇ってこようとしてくる。
そんな会話の後、主人公と来たらディミトリは真面目そうな割に危うげだとか、エーデルガルトは丁寧そうに見えて値踏みしてくるとか、クロードは気さくな割に裏がありそうだとか(完全にうろ覚え)。
FEの主役級キャラといえば、いずれも清廉潔白騎士道精神な人格の持ち主だったけども、3人ともどこかしら引っかかるような面を序盤から見せてくるのは面白いなと思いました。

そのあと3つの学級からどれを選ぶかという話になってくるのですが、
王国のエリートたち、帝国の貴族たち……と見てみると、諸侯連合に過ぎない黄色の学級がちょっとヒヨっ子感あって面白いなと思い、クロードのいる黄色の学級を選択しました。

 

●クロード
(貴族→戦士→ロード→スナイパー→ドラゴンロード→バルバロッサ)

序盤から級長らしくステータスが高く、メインを張っていた頼れる男。
もっとも早くレベル20になり、ロードの資格を得るものの、それきり精神を病んでしまい何かにつけて「俺はロードだけどロードを目指したい」「俺はドラゴンロードだけどドラゴンになりたい」と言うようになってしまった。
飛行系同士、ヒルダとの支援を目指すものの、最終的にはレオニーと結ばれた。


●レオニー
(平民→兵士→ソシアルナイトパラディン→ボウナイト→ホーリーナイト)

設定やビジュアル面で頼りなさげな生徒の中、傭兵を目指すという心意気の強さによって、序盤から積極的に戦力として起用していた。
最初は槍だけを伸ばしていたものの、最上級職には弓が必要ということを知り、慌てて伸ばしてボウナイトに。
指輪を複数持たせ、再移動の便利さから戦場を駆け巡る、使いやすいタイプのエース。
最後はなぜかホーリーナイトにしようと思い、苦手な歌をたくさん歌わせてホーリーナイトにさせた。


●ラファエル
(平民→戦士→拳闘士→ウォリアー→フォートレス→ウォーマスター)

筋肉は正義ということを教えてくれた。
レオニー同様、頼りなさげな黄色の生徒たちの中、最後まで頼ることができた。
面倒なボスはリシテアのワープで飛ばし、一気に殴り倒す脳筋プレイを。いわば積んでからの全抜きエース。
中盤はフォートレスにして壁にしてみたものの、最終的にはウォーマスターに。
その気はあんまりなかったが、アクセ作りの仲でヒルダと結ばれた。よかったね。


ヒル
(貴族→戦士→アーマーナイトドラゴンナイト→ドラゴンマスター)

ブリガンドにしていくのが定石なのだろうと思っていたものの、序盤はラファエルを拳中心に育てていたので、1人もいないアーマー枠を彼女で補うことに。
傷つくのもがんばるのも嫌いそうなのに、アーマーとして育てるのはかわいそうなことをしたものだけど、頼りになった。
最終的には空を飛んで楽したい!とのことだったので、意向を汲んでドラゴンにした。


●イグナーツ
(平民→戦士→アーチャー→スナイパー)

弓が得意とのことでその通りに育成をしていたものの、しまった。イグナーツとクロードで弓がカブってしまった。
そんなわけで序盤からいまいち頼りにくく、下級職になるのが二番目に遅かった。
しかも、弓!ひたすら弓!あとはメガネキャラなので指揮!……という育成をしていたら最上級職なんて今から目指しようがないのでは……?な始末。ステータスもさほどではなく。
じゃあ頼りにならなかったのかというとそうではなく、最終的にクロードはドラゴンに跨って単独行動が目立つ中、鳥型の魔物を的確にスナイプしてくれるイグナーツの存在はいぶし銀だった。
指揮レベルが高かったので色々な計略を使うことができたため、同級生を相手に火計をぶっ放す危ないヤーツ。


ローレンツ
(貴族→兵士→ソシアルナイト・メイジ→パラディンダークナイト

女主人公にしたので序盤からシルヴァンをスカウトできてしまった。
すると、出撃枠が足りなくなってしまう。どうしよう困った。うーんローレンツとシルヴァンで槍がカブってしまった。……じゃあローレンツ抜こうか。
というわけで、出撃枠に空白が生まれるまでの間、ずっとベンチを温めさせてしまった。
いざ育ててみたら育ててみたで、ソシアルナイトLv16で力12はさておき、速さはたった7でまともに前線に出すことができない……。
そんな男も5年後は修行を積んでダークナイトに。黒魔法と槍を同時に操り、的確に相手を潰していくバランス型に。特に魔防が高く、魔法系の敵を前には安心して出すことができた。


●リシテア
(貴族→修道士→メイジ→ウォーロック→グレモリィ)

たびたび、「リシテア成長率悪い!」とは言われていたのを目にしていて、そのせいか序盤はレベルアップ時に画面を見ていると2ピンしかしなかった。
まさか、この見た目でイラナイツ枠……?とか勝手に思っていたものの、勝手に魔法を覚えて勝手に強くなるので勝手に頼りにしていた。高火力の魔法に加えてワープも使えるのはよかった。
が、シルヴァンのお兄ちゃんが魔物化した時、戦い方がうまくわからずに迷っていたら第一の犠牲者になってしまったり、ヒューベルトのサンダーストームを受けて吹き飛ばされてしまったりと、しっかりと脆い。


●マリアンヌ
(貴族→修道士→メイジ→ビショップ)

良くも悪くも回復キャラといったところ。
白魔法使いだったので攻撃面はまっっったく頼りにならなかったものの、ビショップにしてからは黒魔法にも力を入れてある程度応戦もできるように。
力はほとんどなかったが、トクベツな剣を入手してからは近接戦もできた。
とはいえ、勿体ない育て方をしたものだ。


●シルヴァン
(貴族→兵士→ソシアルナイトパラディン→グレートナイト)

序盤からローレンツの枠を奪い、レオニーと同じように前線に立たせ続けてきたナンパ男。
これといって目立った活躍はなかったが、レオニーが緑とするなら、シルヴァンは赤。
斧や兄の遺品を手に持ってがっつりと敵を薙ぎ倒していきました。


●ベルナデッタ
(アーチャー→スナイパー→パラディン→ボウナイト)

発売前から割と気になっていた紫の髪の子。
シルヴァンが2秒でスカウトできたのに対し、彼女を引き入れるのにはとっても長い時間を要した。
とはいえ……彼女も特に活躍なし。だってクロードもイグナーツもレオニーもいるし。
終盤は敵に蚊ほどのダメージしか与えられないこともしばしば。


●フレン(踊り子)
●ツィリル(ブリガンド)
いくらか使っていたものの、枠が足りず……。
難易度が低いのもあってか、最終盤になるまで踊りもあまり使わなかった。
教師陣はまったく。


●ベレス先生
(平民→剣士→ニルヴァーナ→ソードマスター→エピタフ)

まあ強いお方。
ベルを加入させるために弓を撃ちまくった結果、剣と弓を同時に使いこなすアルムやリン的な存在に。
ニルヴァーナのデザインがちょっと気に入らなかったので、剣と理学を伸ばして最終的にはエピタフに。
剣、弓、黒魔法も白魔法も使いこなす、まさしく万能選手に仕上がった。

 

と、各キャラの育成感はこのような具合に。
最初はクロードとレオニーとラファエル以外頼りにならなかったものの、最終的にはみんな立派に育ちました。


とはいえ、引っかかったのは難易度設定。
最初はノーマルとハードだけ。しかしまあこれが封印や烈火のように、ハードがマジで難しかったらどうしようと思うわけです。
というわけで小手調べ的にノーマルにしてみたのですがこれが失敗。聖魔のような難易度感で、ノーマルどころかイージーモードでした。
「最終的にはみんな最上級職にしないと使い物にならないのかなあ」と思い込んではいたものの、そんなことは特になく、大体のマップがゴリ押しで片付くように。終盤はそれすらも面倒になってラファエルをワープで移動させて敵将をさっくり殴り倒したりも。
リシテアが2回ほど死んだ……と書いたようにヌルすぎるってわけではありませんが、いかんせん簡単すぎる。
何度か書いたように、簡単すぎるせいでモチベがいまひとつ上がらず、結構な間は別のゲームに時間を割いていました。
(でも、ルナティックはやりたくない)

 

率直に言えば、マップ構成があまり印象に残らない。
ifはギミックがしつこすぎたものの、こっちはこっちで薄味な印象。いやらしい敵の配置や増援もあったような気はするけど、あまり……。
騎士団システムによって、これまで描かれてこなかった無数の軍勢が可視化され、戦闘アニメも迫力が出てきたものの、そこに甘えたかどうかは知らないが実際のマップは割とスカスカ。
難易度が違えばもう少し印象も変わったのかしらん。
でもマップのギミックがしつこくないということは、3周を前提としている本作ではかえってやりやすいから一概に難点とは言えない。


あとは本作、めちゃくちゃ飛行と弓が使いやすい。強いんじゃなくて使いやすい。
アーチはいくらかあるものの、それが怖くて飛行ユニットの先行を抑えてた……って記憶があんまりない。
騎馬は再移動と移動力があるものの、歩兵と違って森や階段などの影響を受けやすいという関係の中で、
飛行は「再移動できます!移動力あります!森?階段?とりあえず壁は乗り越えられます!弱点?あんまりないですね!」と他の移動タイプを完全に越えちゃっているところがある。
弓も弓で、使っていたらいつの間にかみんな近距離反撃ができるようになっていた。それでいて手斧や手槍を使わずとも2距離3距離攻撃ができるんだからそりゃ強い。
あと、せっかく表現力が上がって戦場のリアリティが高まってるのだから、これまでの2D作品のように弓が壁とかの障害物を貫通するのはどうよと思うんですけども、贅沢かな。

 

1周目をクリアした今になって思うと、自分はこれまでのFEで育成を軽視しすぎていた。
そりゃあレベルアップで地味な成長が続くと気分もあまりよくないけれど、おおむね操作や装備の点でフォローできた。
たとえば、封印の剣をやるにあたって、ディークかルトガーのどちらかを育てるとなった時。
ディークはHPと力に優れ、ルトガーは速さや技が高い。ディークは斧が使えて、ルトガーは必殺率+30%だ。
ただ自分の場合、「相手を倒せればどっちでもよくね」という点で適当に選ぶし、なんならオージェを選ぶかもしれない。
わりと、誰使っても同じじゃね?と思っていて、成長率は軽視してキャラ好みで選んでいたところがある。
(だからといって、わざわざ初期上級職を使ったりはしないのがなさけない)

育成手段が多様になった近年の作品でも似たような感じで、覚醒では支援相手しか見てなかったし、ifはチェンジプルフで別職を経由してスキル習得なんてマネはやらなかったし、エコーズもキャラ数自体が絞られているしで、「誰使っても同じ」という論がますます補強されていった。


本作をプレイしてみても割と変わらず、武器レベルさえあれば誰でもなんでも使えるという仕様は面白いものの、1周目ということもあってこだわった育成はあまりしなかった。
ただ、終盤でベレスは弓や理学を育成したから最終的には4つの技術を持ったエピタフになったし、レオニーはホーリーナイトになったから回復もできて少し便利だったりと、このあたりは割とグッときた。
覚醒~エコーズで足踏みしてたのは、チェンジプルフや村人のフォークとかを使うのが単純に億劫だったのだろうと今になって思う。
特にチェンジプルフは武器レベルがEから始まるのがイヤで使わなかった。ifだと武器レベルEで使える武器が少なかったから嫌だった……的な記憶が少しある。ジェネラルのウェンディに斧を振らせるのさえ面倒だっていうのに。

序盤は、剣士でも弓を使えるようなシステム設計に3すくみの消滅も合わさって、「誰を使っても同じなのでは?」の思考になっていた感。
生徒たちだけで出撃枠が埋まり切るから、「このマップには状態異常持ちが出てくるからセシリアさんをピンチヒッターとして起用しよう」ということすらなく、
編成の自由は「高い」とか「低い」の前に「なかった」気がする。
別にそれが悪いってわけじゃないんだけど。

ところが、終盤になってようやく本作の自由度に気づくことができた。
ラファエルは拳闘士かブリガンドか、マリアンヌは修道士から……とある程度道筋は決まっているものの、武器レベルの縛りやアイテム消費がないのはかなり大きく、育成に工夫を入れれば割と誰でもなんでもなれる。ああ楽しいったら。

あと、イグナーツで倒しきれなかった飛行魔物を、弓レベルEのラファエルが弓を借りて撃ち抜いたのが最高にカッコよかった。二人はズッ友。

 

 

ストーリーは、まず毎節の宗教画みたいなやつと語りが好き。

ただ、黄色を最初に選んだのは個人的に少し失敗だったかもしれない。特に5年後。
前の記事でも書いたように、赤と青がドンパチやっているところ、黄色はこの大陸が戦う相手というか、本筋への絡み方が思ってたのと違う!といった気持ち。
ディミトリは言わずもがな、エーデルガルトの退場も、彼女を悪人目線で見ていなかったので個人的にはあまりノレなかった。
イエッツリアとかフレンの正体とかも黄色ルートではわからないまま……だったと思う。

エーデルガルトとの決着がついたらエンディングだと思ってたので、
ヒューベルトの手紙→謎の地下世界→ミサイル撃墜→虐殺王シルバーマン→クロードの語り→終章→エンディングの流れは割と楽しかった。
エンディングもクロードや主人公が具体的に何かを成し遂げたわけではなく、かなりさっくりとしていて、ここからは個々人の物語なんだなといった感じで個人的には好き。

 

ペアエンドはどうしたかというと、
イグナーツ×ベレス
クロード×レオニー
ラファエル×ヒルダの3ペア。
特にクロードはヒルダと組ませること前提で考えていたので、お互いに違う相手と結ばれたのはびっくりして内容が全然頭に入ってこなかった。


中盤、祈りの塔のシーンで普通は選択肢が出てくるらしいのに有無を言わさずラファエルが出てきて、
率直に言うと、「ラファエル?ラファエルなの?いいやつだけど、こんな序盤ででもう確定なの?」と勝手に思ってました。

でもまあそこからラファエルとの恋愛関係が進展した様子はなく、終章目前になって誰にコクるかを問われて。

ラファエル→妹を幸せにしてやってほしい
ローレンツ→まだやることありそう
クロード→大陸が恋人
シルヴァン→ベタすぎる(ひどい)
とまで考えたら、イグナーツでうーんとなって。イグナーツとのペアエンド面白そうだなーって。

結論から言えば、ベレス先生は天然ボケで、イグナーツも熱いボケなエンドでした。よかったです。

 

 


そんな終章攻略中、シルヴァンが死んだ。
十傑のサンダーストームなんて怖くないだろ!と思って突っ込ませたら、9%を引いて死んだ…
HP60近くあったのに。

これまでにキャラがロストしたのは3回くらいだったと思うのだけど、死んだら会話が見れなくなると思うと勿体なさすぎるので全部巻き戻してた。

でも、この章で本当の本当に終わりだと思うと、
紋章に呪われた人生を送ってきたシルヴァンからしてこの相手は因縁のあるようなやつらだと思うと、
青の学級の連中を嬉々として皆殺しにしていたプレイだったのを思うと、
もしかしたらシルヴァンは引力に引っ張られてこうなったのかなあと、巻き戻さずに見捨ててしまった。


そんなアンニュイな気持ちになったりはするものの、
考えてみると、2周目以降、たとえばまた黄色の学級を選んだら赤と青に対して死ねって言うようなものであって、
それでもエーデルガルトは覇道を進もうとするし、ディミトリはあの戦場にずたぼろの姿で現れるし。それでどちらも結局死んで、クロードは夢をかなえておしまい。
好みの生徒が死んだら、時を自由に巻き戻してなかったことにするけども、
このシルヴァンを前には巻き戻さずに適当に見捨てておいて……

生徒たちの人格が一枚岩じゃなくて、実在する人間のように様々な面から構成されていて、
生徒同士触れあって、フルボイスで喋ったりして、そんな生徒を自由に育てたりして。
でも結局はプレイヤーの手の上な感じが怖いなーって思いました。

「先生!俺、敵こんなに殺したんですよ!すごいでしょ!」とか、「はーっ、私前から●●さんのこと嫌いだったから死んでくれてよかったわー」みたいな
いかにも露悪的なキャラがいなくて本当に良かった。

 

 

1周目ではほとんどの要素をきちんと理解していなくて、スキルの着脱、各級長から見た生徒の評価、花を贈るあたりはまっっったく理解してなかった。


2周目は赤の学級を選んだ。
とりあえずエピタフのモーションがカッコよかったので、全員エピタフにする忍たま乱太郎プレイを目指そうと思います。