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おジャ魔女どれみシリーズ 完走の感想(完走してない)

 

 

新年あけましておめでとうございます。
今年もこのブログをよろしくお願いしなかったり、よろしくお願いしたりします。

それはそうと、おジャ魔女どれみ全4シリーズを完走しました。
ナ・イ・ショを除いて全201話。コツコツ見続けてきて多分2年くらいかかったような気がする。

 

ここまで話数のあるアニメを走ろうと思ったのは多分初めてで。

率直に言うと飽きが来ないのがすごい。
主役はどれみ・あいこ・はづきで、♯ではおんぷ、も~っと!ではももこ、ドッカ~ン!ではハナと1年ごとにレギュラーが増えていったとはいえ、4年もよくこの体制でやれたものだと感心する。
ポケモンのようにサザエさん方式になったり、ホビーアニメのように次のシリーズでは数年単位で時間が経過していて、初代主人公が後見人・主役はしっかり新主人公ということもなく、
しかも特に倒すべき敵がいるようなストーリーでもなくて、日常・ギャグ・人間ドラマ・検定試験(ストーリー本筋)をうまいことやりくりして飽きの来ない全201話を作り出している。
これは相当凄いことですよ奥様。それでいて販促もしっかり入れてきている。


多分、誰も悪者のいないストーリーにしたかったんだろうなという感じ。
玉木と島倉さん(CVパルモン)、SOSトリオ連中のように場を悪い方向に持っていくようなキャラクターはいても、最後にはプラスで話が終わってくれる優しい世界。自分の小学生時代を思い出して少々憂鬱になったりはする。
一応、はづきママの過去の交際相手のように明確な悪人はいる。

世の中、対人関係でイラつくことが多い。接していて、性格が悪いと思えるような人もいる。そりゃあいる。
ただ、純粋に根っこのところから性格すべてが悪いというような人は案外少なくて……
ちょっとお互い理解が足りなかったりとか気が短いだけだったりとか、そういった理由でうまくいっていないのかもしれない。
もしかしたら自分が物事を多少ネガティブな方向に考えすぎているのかもしれない……と、見ていて優しい気持ちになれるアニメである。
そんなわけで、も~っと!10話「おとなになんてなりたくない!」を見よう。
(自分の気持ちが優しくなっても対人関係がどうしようもない時はあるので、過信は禁物)


もちろんアレな点もあって、明確に成長していった玉木はいいとしても、島倉さんやSOSトリオたちは話の都合上、一度成長イベントが起きても元の嫌がらせキャラに戻ってしまうようなところがあった。
特にも~っと!で生えてきた小倉くんが、登場時は女の子にモテモテのイケメンだったのに、再登場時に性格悪めに描かれてしまったのは流石に気になる。
(5年生でのクラス替えが起きてから、唐突に知らない顔のクラスメイトが出没することがあるため、これを勝手に「生えてくる」と呼んでいる)

 

おジャ魔女どれみ(どれみたちが3年生)
1年目ということで全体的に試行錯誤感が強めなシリーズ。
単純なギャグ寄りの回が多めだったり、中盤の山場だったのかマジョルカ編にそこそこの話数を割いていたり、どうせ失恋するのにどれみの恋愛に関する回が多かったりと、全話見た今だと一番異色に思える。
オヤジーデ初登場のバッドカード編から、新しいクラスメイト登場→問題解決に奔走→バッドカードのせいでうまくいかない…→おジャ魔女たちの力で解決と単調な流れの話が続いているものの、それを差し引いてもクオリティが高めで最終話まで見逃せない回が続く骨太っぷりよ。
この時点だと毎回しっかり出てくるどれみ・あいこ・はづきよりも、別働隊感のあるぽっぷが好きだった。ペド趣味違う。


・オススメ回
第38話「りょうたと真夜中のかいじゅう」
ゴジラ好きのクラスメイトの話。ラストの幻想的な雰囲気がいい。

第40話「どれみ楽勝?3級試験」
→だいぶストレートなギャグ回。カブトボーグの人が脚本やってる。

 

おジャ魔女どれみ♯(どれみたちが4年生)
前回で魔女の資格を失ったどれみ・はづき・あいこ・おんぷの4人が、魔女界にて出会ったハナちゃんという赤ちゃんを育てていくのが主軸。
評価の難しさを感じるのは要するに子育てアニメなところ。
というのも、同時期に見ていたHugっと!プリキュアが子育てアニメとして中々クオリティの高いものだったので、時代的なところでも差を感じてしまったり。

無印の時点で、オヤジーデが生足に興奮する、パソコン好きなクラスメイトがいかにもなオタク系、親にまったく叱られたことのない玉木が「それって親に本当に愛されているの?」と周囲から指摘されるなど、少なくとも今ではまずやらないような前時代的な展開が多かったのだけれども。
とりわけ♯では、モタとモタモタの魔法による育児は赤ちゃんのことを見ていない、おジャ魔女たちによる”体温のある育児”が本当の育児というような描き方ながら、
前者は赤ちゃんが露骨に嫌がっていても試験を割と問題なく合格、後者はおジャ魔女たちが頑張ってもハナちゃんに振り回されていつもギリギリ……と、時代観も含めてなんとも割に合っていない展開にだいぶモヤモヤしたもので。お互い極端なんだよなあ。

ハイハイの試験で赤ちゃんたちが水の中に沈んでしまった時は、「そうだ!テレビで見たことがある!赤ちゃんは溺れても本能で泳ぐことができるって!」とおんぷが語りだすヤバさに血の気が引いたものです。
そのほか、序盤から親としての資格を問いただされる回が多かったり、メインキャラ同士の喧嘩回が続いたりと、やけに湿っぽい展開が多い。
17話はどれみとドドが喧嘩、18話はどれみとはづきが喧嘩と2話連続で見る内容ではない……
ギャグもウリのひとつなおジャ魔女ながら、育児という真面目なテーマゆえにギャグに振り切ることもできず、結構息苦しい展開が多かった感じ。

やっぱり、ハナちゃんがなにかとわがままな赤ちゃんで、それを話の軸に据えているゆえに人を選ぶのは否めない感じ。
中盤以降はテコ入れなのかオヤジーデの再登場や新キャラのFLAT4の登場があり、相応に見ごたえが増していったような。
ラストの展開は小学4年生たちが背負うにしては重すぎるものの、だからこそ印象深い感じはありました。


・オススメ回
第10話「高校生あいこは「走る少女」!?」
→ギャグ回……って、またカブトボーグの人じゃん!

 

●も~っと!おジャ魔女どれみ(どれみたちが5年生)
またまた魔女としての資格を失ったハナちゃんと別れたどれみたちは、アメリカからの転入生・ももこと一緒に魔女になるためのパティシエ試験に挑戦していくのでした。
拠点となるMAHO堂が無印では小物屋、♯では花屋といまいち馴染みが薄い店だった一方、おいしいお菓子をドンドン作っていくという話はわかりやすくてよろしい。

5年生に進級してのクラス替えで新キャラ大量登場、魔女側も元老院側が出てきてこれまたキャラ増加、ぽっぷの小学校入学、春風家と玉木家の関係進展と、話もさらに見応えを増していきます。
新キャラのももこは矢田くんと声が同じ帰国子女。そんな特色があれど、2年分のブランクを喧嘩からの仲直りや失敗からの成長でみっちり埋めていくので、追加キャラの中でも脆さを感じやすい。
おんぷは最初からある程度完成しているし、元々が丸っきり赤ちゃんのハナちゃんと比べるとどうしても……。その分、成長していく美しさもあるんですけどね!
そんな個人回の多さの割に家庭環境についてはあまり触れられていないのも謎。

3年目の放送でノウハウもだいぶ培っているのか、各クラスメイトの話も面白いのが多い。
特に不登校長門かよこの話は……重いです。はい。めちゃくちゃ重い……。


・オススメ回
第5話「SOSトリオが解散!?」
第15話「きれいなお母さんはスキ?キライ?」
第19話「ケンカばっかり似たもの親子」
第42話「ドキドキ!ふたごの不思議なまほう」
→いずれも新クラスメイトの回。クラス替え、親やきょうだいの向き合い方……が最高に人間ドラマしていて面白い。
 5話を見た時に、このアニメはすごいなあと思ったものです。特に万田姉弟はかなり好きなキャラ。

 

おジャ魔女どれみドッカ~ン!(どれみたちが6年生)
なんだかんだでハナちゃんが小学6年生までに急成長したので、どれみたちが見習い試験を手伝っていくことになりました。

ハナちゃんが引き起こすドタバタもさながら、いよいよ小学校を卒業するとだけあって切ない話が多いシリーズ。
♯のハナちゃんとは異なり、着実に成長を重ねていくハナちゃんの姿や、いまいち影の薄かったももこが夢を追い求めていく姿には親心のようなものを感じたり。
そんな切なさに、視聴後はなんだかすっきりするような気持ちになれて……ウルウル。

終盤ではおジャ魔女たちがそれぞれの夢に向かって動いていき、ラスト2巻はサブタイトルを見ただけでぶっちぎりで重く、いざ視聴するまでに2か月はかかった……。
おジャ魔女シリーズ全体に言える特徴でもあるけど、割と下ネタが多くて、特にパオちゃんが宝石のうんちを出すせいでマジョリカがうんちうんちと狂喜乱舞するシーンはついにイカれたかと思った。
他にも嘔吐などもあったりはするものの、最終盤に描かれた介護の際には欠かせない部分の処理とか……キツい。

 

・オススメ回
第17話「ひみつ基地を守れ!」
→終盤のシーンが挿入歌も相まって非常に美しい……。

第40話「どれみと魔女をやめた魔女」
→この回は別次元でヤバい。デジモン好きなら誰もがご存知な細田守さんが演出をやっているのだけれども、一部ではその最高傑作と言われるのもよくわかる。
 この話だけでも見る価値があるんじゃないかと思う反面、これまでの積み重ねもあってだから安易に勧めにくい。

 

 

この後に辿るべきルートは、ナ・イ・ショ→ノベライズ→新作映画。
ナ・イ・ショはともかく、ノベライズは必要以上に話が重い……と聞くので、読むにはだいぶ構えておく必要がありそう。

新作映画もどうなんだろう、アレ。
まず、デジモンに比べたらだいぶなんでもありなのがおジャ魔女のメリットだと思う。

デジモンが見るからにダメな理由としては、「元々がバトル・冒険モノなのに感動路線に行こうとしている」「作中での正史をスルーしてよくわからないことばかりやってる」という絶望的なまでの無視っぷりと言わざるを得ない。

まだノベライズを読んでいない身とはいえ、
デジモンは「高校生になった選ばれし子供たち」をお出ししてきたから、02~02最終話の空白を埋める話なのかもしれないと思って見事に面食らったものだけれど、
どれみは「主人公はまったくのオリジナルキャラ3人(そして昔どれみを見ていた)、どれみたちは小3?ごろのままで、なぜかももこがいる」を出してきたので、パラレルワールド感が強調される。
情報が公開された時は頼むから死んでくれと思ったけど、なんか、いけそうな気がする!


反面、これで面白くなるのか?といった不安は大きい。大きいったら大きい。
未来のどれみたちはノベライズでやっているし、小学生時代のどれみの番外編はナ・イ・ショでやっているので、どちらをやるにしてもこじんまりとした雰囲気になりそうな気がする。
なのでオリジナル路線という変化球は面白いと思うものの、「昔どれみを見ていたけど夢と現実のすり合わせがうまくいかない大人たちが、本物のどれみと出会って自分を見つめ直してなんやかんやでそれっぽいラスト!」と直球勝負を仕掛けてきそうな違和感が大きい。
近年のアニメ映画ブームにかこつけて、昔どれみを見ていた人々に見てもらおうというわかりやすさ? なのにどれみたちは冒頭30分くらい出なそうな複雑さ? 考えていると複雑だ。

 

比較して物事を考えるのはよくないと思いつつも、公開されている情報を見る分には、完全に意味不明な路線に向かっているデジモンに比べるとギリギリまっすぐと呼べるどれみを応援したい……と思う。
そのためにはまずナ・イ・ショと……ノベライズかあ。