ウツボよおどれ

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ラスエボと無印新作

 

 

 

最近、点数制の評価はあまりうまくつけられないなと思うので…
ラスエボは率直に言うと、ニコニコの「発想の根本が狂ってるシリーズ」みたいなタグのつく映画。
冒頭のバトルシーンでおかわりしたくなるくらいの出来だった分、ただひたすら新設定が受け入れ難かった。

パートナーと別れるのはバディもののお約束展開のひとつとはいえ、再会と別れを何度もやってる無印シリーズだからなあ……と。
そんなお涙ちょうだい的な路線は明らかに見え見えだったものの、メノアとか魅力的なゲストキャラを絡めていくことによって、深いことを気にしなければしっかり楽しむことはできる映画になった感じ。
特にメノアは一本の映画の中で魅力がよく出ていて、考察や深読みのしがいもある味わい深いキャラだったと思う。
そんなわけで根本が破綻しているのにもかかわらず、うまくまとめきったのはかなり評価したい。

 

何においても良かったと思うのは冒頭なパロットモンとの戦い。この世界観が最高だと思う。
街中をパロットモンという巨大怪獣が暴れる中、タケルとエンジェモン、ヒカリとエンジェウーモンが食い止め、
司令塔・光子郎の指揮のもと、太一、さらにはヤマトと参戦。
街を壊しているグレイモンや、公園でギガデストロイヤーをぶっ放す姿にはうっすらどうかと思いつつも、パロットモンを無事に送還。
他のメンバーは忙しくて来ることができず、微妙に疎遠な太一とアグモンなどでキャラの今の状況を説明。
そのあとは隠れることなくファミレスにデジモンがいたり、子供たちが表向きは秘密に野良デジモン退治をしていることがわかる流れの綺麗さ。


デジモンシリーズは中々長いけども、現代の街の中を野良デジモンと主従関係にあるデジモンが戦うのはあまり多くはない。
無印のお台場編やテイマーズとかセイバーズの前半くらいか。
ゴジラほどにダイナミックではないが、ポケモンほどにミニマルかつ健全ではない、ちょっと悪いしちゃってますよというバランス感があって、自分はそういうのが好み。
別にゴジラが好きなわけではないけど、現代の街が舞台なのがグッとくる。
ストーリーの背景的にも、これまでにも野良デジモンがたびたび出てきて、そのたびに送還活動をする一幕があったんだろうなと。
多分この掴みが最高過ぎたから、映画全体を飽きずに見ることができたんじゃないかと思う。

 

こうしてラストエボリューションを乗り越えたところで、息つく暇もなく無印新作が始まる。無印新作ってまたポケモンじゃないか。
今のところ、ポジション的にはとても微妙なところにある作品だと思う。

リブートもののアニメはあまり見た覚えがないけど、子供達の声優はほぼ確実に総替えになることは確定。
キャラ設定はほとんど別、デザインも微妙に異なる、時代設定やストーリーにも差異がある……といった具合なので、楽しみだとか見るまでもなくクソだとか言う前に、「どうなるんだろう」といった気持ちが大きい。

 

似て非なるもの状態なのはわかっているけど、ここで無印のキャラを使ったのは大きいと思う。
いつまで無印キャラを酷使するんだといった気持ちでありながらも、無印の名を使った以上はズッコケがあまり想像しにくい。
全員新キャラ・新デジモンでやるのは粗製乱造感があるわりに、ウケる保証がないのでコケる可能性もあってリスキー。アプモンのアニメがあまりよろしくなかったのもあるとは思う。
とはいえ無印キャラをまるっきりそのまま使用して、番組タイトルも同じなのは比べられる星の下に生まれてきてしまった感じが。
絶対的に悪いとか、無印に比べて新作は~とまでは言わずとも、どういう方向性になっていくんだろうなあ。

 

すっごいふわふわした記事になっちゃったけど、少なくともこの無印新作はラスエボ冒頭のような作風になることはなさそうだからちょっとせつない。以上。