ウツボよおどれ

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Dead by Daylightってゲームをやってるよ

 

普通の対戦ゲームはむつかしい。

自分と相手は同じ土俵に立っている。

その上でキャラ選びや構築とか、コンボやルートの精度とか、様々な部分での差が勝利に直結する。

その差を埋めるには才能以上に練習量や知識も大切……つまり、疲れる。

 

スマブラとかポケモンとか、FallGuysとかスプラトゥーンとかデュエルリンクスとか、今までいろんな対戦ゲームをやってきたが、基本的に自分はかなりヘタクソ。

腕がないのはもちろん、安直に環境上位を使いたくないとか謎の反骨精神により、もうさっぱり勝てない。読み合いもダメダメ。

最初から相手がダメージを受けておいてくれれば勝てるかもしれないが、そんなことは起きてはくれない。同じ土俵に立つと言うことはそういうことだ。

 

じゃあ同じ土俵に立たないゲームをやればいいじゃんッッッ

 

 


このDead by Daylight、通称「DbD」は非対称型の対戦ゲームになる。

 

www.jp.playstation.com

 

端的に言うと、以前にやったオバケイドロのグロ版。

 

プレイヤーは生存者4人と殺人鬼1人に分かれる。

生存者は殺人鬼の攻撃をかいくぐりながら、マップ内に5つある発電機をすべて修理し、ゲートを開放して脱出すればクリア。

(なぜかは知らないが、和風の邸宅や荒野の酒場に発電機があったりする)

殺人鬼は生存者を攻撃し、フックに(物理的に)吊り上げて儀式を進めて、4人全員を処刑するのが目的。

プレイヤー同士が対等ではないので、非対称型対戦ゲームと呼ばれる所以はここにある。

 

殺人鬼はとても強い。

しかし、生存者にライトの光を当てられると怯む、マップに点在するパレットを倒されても怯む、飛び越えが遅いので障害物が多いと逃げられやすい。

生存者をフックに吊り上げても他の生存者に救出される、生存者は他の生存者を治療できる、最後の1人になったらゲートとはまた別に脱出口が出てくる……

などなど、ホラー映画的なご都合主義が殺人鬼を阻む。

 

しかし、生存者は何かギミックがない限り、殺人鬼に対しては逃げるか隠れることしかできないので、常に緊張感がある。

殺人鬼が知覚にいるとバクンバクンと鼓動が鳴り響き、これまたホラー映画のような趣がある。

 

操作が簡単なのもうれしい。

スティックとボタン少しですべての操作が不足なくできる。入力の小難しいコンボのようなものはほとんどない。だって鬼ごっこだし。

能力の扱い殺人鬼がいたり、生存者でフックに吊られてる時の連打シーンで謎の即死が起きたりすることはあるものの、それはそれ、これはこれ。

 

 

 

プレイを初めて2ヶ月か3ヶ月くらいするが、おおむね生存者側のプレイが楽しい。

「仲間が吊られているが、救出しに行くか?それとも他の仲間に任せるか?」

「発電機の修理は殺人鬼に見つからないようにしつつ、1箇所に未修理の発電機がまとまらないようにもしたうえで、どのように進めていくか?」

「殺人鬼の脅威的な能力への対処はどうするか?」

と、複数の物事を並行して考えなければならず、スリルがある。

 

4人全員が生存してゲートから脱出できる回数はそこまで多くなく、力量が同じくらいだと、2人が処刑済み、1人がボロボロ、もう1人もボロボロなくらいでの脱出が多い。

ピンチな状況で脱出口を見つけて辛うじて脱出したり、あともう一歩だったのに処刑~全滅したり、速攻で死んでしまったり、1試合ごとにドラマがある。

 

 

 

 

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自分の好きなキャラはジェフ・ヨハンセン。

なんらかの教祖に見えるアーティストのおじさんである。

 

この生存者のパーク(いわゆるスキル)の「アフターケア」がかなり面白くて、自分が治療/救出した相手と、自分を治療/救出してくれた相手は、マップのどこにいてもお互いの姿を見ることができる効果を持つ。

仲間が必死に走っているのを見れば、殺人鬼に追いかけられているのがわかるし、仲間が負傷したり修理しているのを見れば、向かって行って援護できる。自分が助かるためにも、相手を助けるためにもとても役に立つ(ただ自分がフックに吊られるとリセットされる)。

実用性のみならず、殺人鬼から逃げて発電機を修理するばかりのチキンプレイに終わらず、仲間との助け合いで積極的にゲームに関われるので1試合が充実してくる。

 

 

逆に言うと、殺人鬼側のプレイはしんどい。

つまらないと言うよりも……しんどい。

 

1人を追いかけ回しているうちに発電機がポンポン修理されていくのは日常茶飯事。
ようやくフックに吊れても、目を離すとあっさり救出されて、目を離さないでいると他の発電機が修理されていくジレンマ。

生存者は3人称視点かつ360度どこでも見渡せるが、殺人鬼の視界は殺人鬼からの1人称視点なので、見えないところでパレットを倒されるとすごくびっくりする。

生存者からのライトでの反撃は、視点を上に向けることで回避することができるものの、自分はへたくそなので自分自身が上を向いてしまう。

呼吸音や物音で生存者を探そうとすると、殺人鬼自身が立てている呼吸音と物音だったことに気づいて、灯台下暗し。

挙句、図体の大きさと視点の悪さのせいで障害物に引っかかったり、なにかアクションを起こすたびに下を向いて生存者を見逃すので、すっごく大変なのである。

あ、これ全部自分がダメなだけじゃん!へっぽこ!へっぽこ!

 

 


殺人鬼の能力は1人1人異なるが、

罠を設置できる→マップを歩き回って効果的なポイントに設置しないと意味がない(初動がとても遅い)。

ワープできる→ワープするたびに疲弊する。

罠を設置できる上にワープできる→背が低くて生存者を見逃しやすい。

チェーンソーで強力な攻撃→障害物にぶつかると動けなくなる。

遠距離攻撃→当てるには要練習と経験。

などなど、どいつもこいつも一筋縄ではいかない。

 

最近よく見る殺人鬼はスピリット(瞬間移動)、ドクター(広範囲索敵+状態異常)、シェイプ(長期戦になるが一撃で大ダメージ)あたりだと思うけれど、能力にデメリットが少ないのが大きい気がする(いずれも昔は弱かったらしいが)。

発電機の修理だけで勝利に貢献できる生存者とは違い、試合以前から頑張らないと1人処刑するのも精一杯。それが殺人鬼なのかなと思う。

 


ただ殺人鬼でプレイしていて一番の難点は、1人が故に仲間がいないことだと思う。

 

生存者の場合、自分はアフターケアをよく使っているのもあって、「あの人は次吊られると死ぬからサポートしないとな」とか、「あの人はすごく救助頑張ってるな。ゴーゴーファイブか?」とか、画面の向こうの仲間に思いをめぐらせられる。

がんばって脱出しても、むなしく敗北しても、生存者プレイは楽しい。

 

けども殺人鬼の場合、対戦相手の生存者は「眼鏡」「課金スキン着てるやつ」「ずっと隠れてて出てこない。誰?」……くらいの印象が関の山。

がんばって生存者を全滅させても、1人も処刑できなくても、思いを馳せる仲間はいないので、モチベーションを保つのが難しい。あんまり楽しくない。

 
最近は殺人鬼を使う時は割り切って「自分のプレイで生存者が楽しんでくれたらいいなあ」くらいの気概でいる(別に負けてもいいわけではない)。こう思うようになってからグッと楽になった。

ただ、対戦ゲームには付き物の煽り行動にも頻繁に出くわすので、凹む時は凹む。

 

世間の皆様がどう思ってるかは知らないが、生存者メインで遊ぶ人の数は殺人鬼よりずっと多いと思う。

(まあ4VS1なので、双方のプレイヤー数が対等だったらそれはそれで困るけど…)

実際、休日の日中以外に生存者で遊ぶと、マッチングに鬼のような時間がかかる。

そんなわけで、へっぽこ殺人鬼でも高ランクの生存者との対戦になりがち。

それで負ける。しかも煽られる。凹むという循環が起きがち。

どっちが優位なゲームなんだ?これ。

 

 

 

殺人鬼で遊ぶにせよ、生存者で遊ぶにせよ、欠かすことのできないのがパークに尽きる。

生存者はどのキャラも基礎スペックは共通なので、パークをつけてプレイスタイルに変化を出していくし、殺人鬼もまともにやっては生存者を1人処刑するのも精一杯なのでパークでの強化が欠かせない。

どのキャラも固有のパークを3つ持っているが、レベルを上げていけば他のキャラでもそのパークを使えるようになる。

たとえば、先ほどのジェフの「アフターケア」は基本的にジェフ専用だが、ジェフのレベルを上げていけば他のキャラでも覚えられるようになる。

 

で、必要なレベルが30・35・40。

大体のポケモンが最終進化してるような値である。

 

調べたところによると、レベル40までの育成にはおおよそ120万BP(ブラッドポイント。通貨。経験値)がかかるらしい。

持っておけるBPの上限は100万、1試合を勝利して入手できるBPが2万~5万、ミッションで1万~3万ほど。

漫然と育成していては全然ダメで、狙いのパークを習得するには相当絞って育成する必要がある。

 

生存者の必須パークといえば、「与えられた猶予(フックから救出された相手が少し無敵になる)」とか「全力疾走(少しだけ早く走れる)」とか、らしい。

どういうわけか、自分がLv40まで育成した生存者はジェイクとジェフのじぇじぇじぇ(死語)コンビなので、上記2つのどちらも持っていない。

自分の好きな「アフターケア」と相性がいいのはもちろん「与えられた猶予」だが、それより先に「全力疾走」を取りたいような気もして、それらを覚えられるキャラの育成がうまくいっていない。

幸い、汎用パークにある「凍り付いた背筋(殺人鬼がこっちを向いていると感知する)」と「血族(フックに吊られてる時に仲間の様子が見える)」の利便性がかなり高いので、今のところはなんとかなってる。

 

 

殺人鬼は必要なパークが何かと多い。

フックに生存者を吊ると他の生存者の位置がわかる「バーベキュー&チリ(通称バベチリ)」は見て明らかに強いが、さらに追加効果として生存者を吊れば吊るほどに試合後のBP入手量が増える。

BP入手量が増えるパークは生存者側にもあるが、条件が少し厳しめだったり、貴重なパーク枠を使うことになる。

バベチリは普通に遊んでいるだけで条件を満たせる上に、無理なく採用できる実利の大きさゆえに、殺人鬼で遊ぶメリットの1つとして挙げられてくる。というかこれがなきゃやってられない。

 

あとは発電機の修理を遅らせる「呪術:破滅(発電機の修理度が勝手に後退する)」とか「イタチが飛び出した(修理度を大きく後退させる)」とかも必須。

ゲーム終盤を有利にするために「呪術:誰も死から逃れられない(ゲート開放後に一撃で生存者を倒せる)」も欲しい。これは汎用パークなので入手しやすくておトク。

ついでにプレイスタイルに合わせて「ガラクタいじり」「看護師の使命」「不協和音」だとか「野蛮な力」「まやかし」「フランクリンの悲劇」とか……た、た、足りねえ!!

 

まずパークの枠が足りない。パークは4つしか付けられないが、バベチリを入れないと殺人鬼で遊ぶ意義が薄れてくるし、発電機妨害系を入れないと苦しいので、これだけで2つ埋まる。となると自由枠は2つしかないんじゃないか。

次にBPが足りない。バベチリとイタチが飛び出したはもう持ってるけど、破滅までが遠い……嗚呼。

 

 

もちろん、生存者と殺人鬼の両方でプレイしていると育成にかかるコストがそのまま2倍になる。

生存者は基本スペックが全員同じだから誰を使っても外見以外の差は出てこないけども、殺人鬼は全員能力が異なるので、使わない殺人鬼のレベルを上げて欲しいパークだけ回収するのがマゾい。

パーク同士を組み合わせた面白そうなコンボ☆を目論んでも、育成にかかるコストを考えるだけでげんなりしてくるし、

さらには、殺人鬼Aのスペックを最大限生かすには、殺人鬼Bのパークの習得が必須だったりするケースもあるようで、おお……もう……。

 

 

さらに狙いのパークを習得するのも大変。レベルを上げてスキルポイントに割り振り……じゃない、かなり運任せの仕様。

上のほうに蜘蛛の巣のようにアイコンが広がったスクショを置いたけど、そこが育成画面。ブラッドウェブという。

レベルを上げるたびにこのブラッドウェブが新しく作られ、BPを消費してアイコンからパークやアイテムを入手する。

どのパークが出るかはかなりランダムな上に、パークごとにレベルもあるので、運が悪いと狙いのパークをまったく覚えられない。

 

こうした育成面にはまったく救済措置がないわけじゃないけれど、このゲームをやっていて一番つんのめってくるのが、「ウギャー!あのパークとこのパークとそのパークを全部欲しいよー!」となった瞬間だと思う。

いくら熱中してても、一度こうなるとすみやかにコントローラーを置きたくなる。

 

 

 

まとめてみると、

良い点→生存者プレイはスリルがあって楽しい。

微妙な点→殺人鬼プレイがしんどい。

キツい点→パーク関係の育成要素。

と、長短がわりとはっきりしたゲームだと思う。

 

まあ、育成要素が大変なのはプレイ時間を伸ばして過疎が起きるのを防ぐためでもあるだろうから、あまり強く文句を言えたものでもない。難しいね。

 

特にオチもないけれど、全体的にゲームがヘタかつ、一緒にゲームをやる相手がほとんどいない自分にとっての需要を埋めてくれた、結構ビビっと来るゲームだなあと思う次第でした。

ただ、対戦ゲームって周りに相手がいても、その相手より目に見えて自分の力量が劣っていると、つ、辛い……。

もしかすると、周りに対戦相手がいないほうがいいのかもしれない。お山の大将だ。井の中の蛙だ。