鬱子です。
プレイジム殿堂に関しては近々考察記事を書かれる方がいるらしいので期待しております。
一応自分も複数回参加したし、店員さんいわくツッコミ歓迎とのことだったので思ったことを書いておきます。
プレイジム殿堂を見た時に感じる印象は「秩序」です。
定番ロックカードが厳しいのはもちろん公式大会使用不可カードもNG。ヨルノズク(neo1)、メタモン(拡張)、特訓ジム、回収など、最近の殿堂で重く見られがちなカードはしっかり重いです。
「旧裏を最近始めたプレイヤーがわからん殺しされるのを避けよう」という意思は伝わってきました。
ですが、4点制ゆえにデッキ構築の自由度は結構狭まっています。それをこれから書きます。
プレイジムさんのコンセプトからして、近代旧裏の細分化された8点制ではなく当時を踏襲しての4点制という感じなのでしょうが、殿堂ランクの内容と相まってデッキ構築をしづらく感じました。
同じ4点制のクラシック2016でポイント付きのカードは47枚、プレイジム殿堂だと58枚。
クラシック2016はだいぶユニークなポイント設定がされていることを考えると実質的な枚数はもっと少なく感じます。加えてマルマインもパソコン通信も0点ゆえ、他の殿堂だと形にならないようなデッキも強引に動かせるという差別化点があり、遊び甲斐のあるルールです。
早速余談ですが、プレイジム殿堂(旧裏)と、プレイジム殿堂レギュレーション(新裏)で規制が設けられているカードの枚数がほぼ同じなのは面白いですね。
一概に比較できないとはいえども、1000枚くらいのカードプールと10000枚以上あるカードプールでやばいカードが同枚数存在するって……
ただ、規制が強めで思うようにデッキを組めないというのは非難されるようなことではありません。コンセプトを通すために殿堂ランクを調整するのは至極アタリマエの話だと思います。
その上で何が気になるのかというと、「ならではの点が乏しい」「極端に使いにくいデッキがある」の2点です。
「ならではの点が乏しい」について。
プレイジム殿堂とハレツー殿堂はどちらも秋葉原の店舗で用いられている殿堂ランクで比較対象にせざるを得ないと思います。(ハレツー殿堂の表はこちら)
実際、点数のついているカードはほとんど一致しています。8点制のハレツーから大きく中身が変わらないまま4点制になったようなイメージです。
※かなり見にくいと思いますがご容赦。
※ハレツーに合わせてプレイジムは点数を倍にしてます。
※公式大会使用不可カードは略。ただしプレイジムは古代ミュウ使用可能。
そもそも当時の殿堂ランクは4点制だったのに、なぜローカル殿堂ランクは8点制なのか。それは新殿堂が始まりだそうです(ソースは708さんのブログ)。
「4点制における1点だと重いが、0点だと流石に軽いカードがある」「同じ点数のカードでも明らかなパワー差が見られる」などの状況に対する措置で、旧裏のカードパワーに即していると思います。
そしてハレツーで1点だったカードの多くがプレイジムでも1点(=8点制における2点相当)になっており、ロケット団の特訓ジムやヨルノズク(neo1)あたりのソフトなロックカードが割を喰っています。
点数が下がっているカード自体はそれなりにあり、ポリゴン(プロモ)が6点から4点相当、エレキッド(neo1)が3点から2点相当に。
ベトベトン(化石)とプテラ(化石)も7点から6点相当、アンノーンUも6点から4点相当になっているので、同時に投入できるカードの範囲は広がっています。いずれもハードなロックカードなのは、まあ……。
構築している際、突風、リムーブ、パソコン通信あたりの汎用的なカードに殿堂ポイントを割くなら気になりにくいですが、ちょっとひねった動きを交えたいとなった時に引っ掛かりやすく、「4点制」というよりも「締め付けの増した8点制」のような印象を受けました。
重箱隅な感がありますが、プレイジムでポイントがついていて、ハレツーだと0点なカードはニコタマだけ。
ハレツーでポイントがついていてプレイジムだと0点なカードは、くいしんぼカビゴン、ハガネール(neo1)、ミュウ(コロコロプロモ)、メタモン(化石)、わるいクロバット、わるいマタドガス(ロケット団)の6枚のみ。
じゃあこの6枚はプレイジム殿堂で暴れられるのかというと、うち4枚はニコタマや鋼との併用が前提気味なので脱落。残るミュウとわるクロもハレツーだともともと1点なので運用に大きな差は出ないと思います。
まあ、ハレツーはニコタマ0点が便利すぎてやりにくいと感じる人もいるはずなので、そうした人はプレイジム殿堂が好みかもしれません。
続いて、「極端に使いにくいデッキがある」について。
パワーカードを広く規制する方針なのはいいと思うのですが、4点制の関係でコンセプトの成立が危ういデッキが多いです。
特に鋼エネルギー。1点がついているため、鋼ポケモンはレインボーエネルギーやポリゴン2がないとほとんどワザを使えないです。
川村、わるいマタドガス、ラッキーなど鋼エネルギーを活用するデッキは多く、特にラッキー(第1弾)はラッキー2点、ハピナス1点、ニコタマ1点なことを考えるとかなり苦しいポジションだと感じます。
というか、ラッキーと鋼に点数かかっていて鋼ラッキーが成立しにくいのに、ハピナスにも点数をかける意味があるのでしょうか……?
(ハピナスに1点かかっていることがあるのは、ラッキー1枚+鋼エネルギー4枚+ハピナス1,2枚というような構成の鋼ラッキーを抑制するため)
また、トラッシュ交換にも1点がついています。
トラッシュ交換を活用するデッキでメジャーなのはオーダイルくらいですが、この殿堂ポイントでワニカメを組むと、オーダイル1枚+カメックス1枚+トラッシュ交換1枚にせざるを得ないと思うので結構大変なことになります。
自分はワニカメを使ったことがないので机上論ですが、かなり頑張らないとサイド6枚取るのは厳しそうです。
鋼の運用が困難なので草ポケモンがかなり強いです。特にメガニウムは0点。
炎はバクフーンも0点なので食らいつけてはいるものの、鋼に強いという強みは薄まっています。
カメックスも1点で軽くて強く、草炎水が拮抗してはいるものの、どこかほころびを感じます。ここまで秩序を保とうとした殿堂ランクでもそうなってしまうのか……と。
鋼・ニコタマの点数の重さからリムーブ系のカードも使い心地が変わってくる印象。
そこで鋼エネルギーやトラッシュ交換の規制を緩めようとすると、1点の下には0点しかありません。0.5点を設けない限りは。中々八方ふさがりだと思います。
ただ、全体的に規制が強くて窮屈なのを嘆くのは誰にでもできること。前向きに考えれば構築する側にとっても悪いことばかりではないと思います。
なぜならメガバナ、川村、プクリン、ワニカメ、ハガネールなど、ハレツーにおいてのメジャーデッキは規制によって上限値が少し抑えられているのです。
それらのデッキを意識するために動かしにくかったカードやデッキもこの殿堂ランクならワンチャンある……という見方もできます。できると思います。重要なのは物の考え方と捉え方です!!
総じて、遊んでいて掘り下げにくいレギュレーションなのは否めないと思いますが、遊んでいて特別悪い気もしません。
一応、自分はユニークなデッキを組みたい寄りの人間です。以前にプレイジム殿堂ならではのデッキをこねくりまわして考えた結果、同様の構築をハレツー殿堂で行ったら4/8点に収まることに気づいてわりと心が折れました。
以降は「そういうもの」と割り切って、手持ちのデッキをざっくりと調整しただけで参加してます。肩に力が入らないのでそれはそれで気楽です。
改訂案は多少なりとも考えたのですが、やはり4点制そのものの自由度が低いので幅を広げられないと思います。
こんな珍奇な状況が発生するのは近代旧裏の良い点でもあれば悪い点でもあると思います。
ハレツー殿堂と比較して窮屈気味なのも、4点制によって明らかな隔たりがあるのも事実ですが、それをどう取るかは個々人次第だと思います。
まあ、誰かが悪いとするならば、旧裏が面白いのが一番悪いんですよね。
一番大切なのは参加者が定着していくかどうかだと思ってます。
殿堂ランクのバランスの良し悪しや内容の好き嫌いにかかわらず、参加者がいない大会に価値がないのは唯一の事実です。バランスが悪いルールでも一緒に遊べる人がいれば楽しいというものでしょう。カードシークレットさんのクラシック2016がそれを証明してくれます。
参加者数は毎回5,6人前後です。初回は3人しかいなかったようなので、着実に増えて安定してますね。
プレイジムさん自体が新旧のポケカを幅広く取り扱っている場なので、ここで旧裏イベントに初参加された方もいるようでした。
奇数になった場合は店員さんが穴埋めで入ってくれたり、開催も翌日に響かない金曜日と配慮していただけているのもありがたくて、運営サイドからも熱量が伝わってきます。
それでも参加者数がハレツーに比べて少ないのは、「プレイジム殿堂がつまらなくて、ほかの殿堂で遊んだほうが楽しいから」なんて理由以上に、「そもそも週末は忙しくて行けない」に過ぎないことでしょう。
まあ金曜日は金曜日だし、終わる時間も遅くならざるを得ないです。その中でこうした配慮をしてくれていることにはすごく助かっています。
あと、プレイジムさん自体が過去のレギュレーションを多くやっているのであれば、それこそ旧裏も当時のレギュレーションをそのまま引っ張ってきたら面白いんじゃないかと感じました。最近流行りのトロピカルメガバトル2000とかどうでしょうか。