#キン肉マンアニメ化 というハッシュタグが少し前のTwitterのトレンドワードになっていた。
別にこれは本当にアニメ化が決まったわけではなく、みんなでアニメ化してほしいという声を届けてアニメ化しようという、すさまじい力技である。
最初にトレンドに出たのが4月上旬。
5月29日のゆで問答はほとんど流し聞きだったものの、ツイートを見るにアニメ化のお呼びはまだかかっていないらしいし、今日のゆでのツイートもそんな感じだった。
その傍らでも数々のジャンプなつかし作品がアニメ化している。
そのすべては覚えていないものの、焼かれた故郷を見に行くようなアニメとか言われていた封神演義、
意外なことに最近はムヒョロジもアニメ化しているし、ハンターハンターは…えっもう9年前！？
ジャンプ作品に限らなくたって、最近はバキなんてところがアニメ化したばかりだからいけないこともないだろう。
何より輝かしいのはダイの大冒険で、声優に疎い自分でも聞いたことある名前が多数のキャストに、
CS・スマホ・アーケードの3つでゲーム化が決定しており、Vジャンプで外伝連載決定…と生放送をちゃんと見ていなくてもここまで思い出せるあたり、商業的な期待されっぷりがよくわかる。
じゃあなんでキン肉マンにお呼びがかからないのだろう。大人は何もわかってくれない。わかるべきところがわからない。
自分がキン肉マンにハマりだしたのは第50巻が出たあたり。今から5年前で、そこから特別人気が落ちることなく、今でもwebで連載が続いている。
webに引きこもっているならまだしも、アパレル・フィギュアなどは続いているし、トレンドワードに上がるのもしょっちゅう。
数年前のスタンプラリーも盛況に終わる（たぶん）などで、オールドな作品であっても、オールドかつ落ち目な作品とはとても言い難い。
どうせならアニメ化しないその理由を考えちゃってもいいのでは？ということでここはひとつ。
まず、作者とファンの間で声を上げたが、アニメ制作会社側から声がかかっていないのが現状だともいう。
アニメ業界の待遇の悪さや自転車操業っぷりは言うまでもなく。
少しでもそれを改善するには、売れる作品を作って売上を伸ばすか、作る作品を減らしてコストを減らすかのどちらか。ホーなんだそのオモシロ起源説は？
すると、キン肉マンは売上の伸びるアニメではないか、アニメを作る理由がそこまで強くはないというお話になる。いやこんな文章書きたくない……。
かわいい女の子やカッコイイイケメンが出る作品はそりゃ売れる。トレンドだ。
また、昔なつかし作品の再アニメ化やリブートも売れる。新しい客を呼ばなくても、固定ファンがすでについているからだ。
じゃあ昔なつかし作品でイケメンだらけのキン肉マンが売れないわけないだろう！ ウォーズマン、イケメンじゃないか！と単純に言うのもやや厳しい。
勝手な懸念1 子供向けアニメにした時の問題
キン肉マンは常に今の小学生に向けて描かれている漫画、とのこと。
確かに小学生向けの漫画だ。ムキムキパンツ一丁男、カレーを頭に乗せた男、トイレ男。子どもの好きなものが全部詰まっている。
タイトルもわかりやすい。「ワンピース」ってなんだ。「NARUTO」って誰だ。「僕のヒーローアカデミア」なんて、ジャンプを読んでなかったら、なんかよくわからんだろう。
しかしキン肉マンはどうだ。キン肉の男だ。わかりやすすぎる（ばか）。
じゃあアニメ化しました……ということでのしかかってくるのは、子供が真似をすると危険というクレームだろう。
等身大の人間2人がリングの上で殴り合い組みあっているだけでもだいぶアウトながら、
キャメルクラッチ、パロ・スペシャル、クロス・ボンバーなんて真似しやすい技もたくさんあるこの漫画。
学校で子供が真似をして、PTAの間で問題になったとなれば、ボーボボPTA問題なんて比にもならない話になってくる。
「ダイの真似をしてアバンストラッシュをしたら怪我しました！」に比べると、
「ウォーズマンの真似をしてパロ・スペシャルをしたら怪我しました！」のマズさはすごい。どーりで●●の呼吸が流行るわけだ。
玩具面、お金になるかという面にもいささか不安がある。
キン消しが一世風靡したのは有名だが、今の小学生がキン消しのガチャガチャに並ぶというのも、「ペットボトルの蓋シューター」なんて魅力的なガチャの多い昨今では難しいだろう。
おもちゃ・ゲームの面での訴求力はワンピースやDBとあまり変わらない感がある。つまりは平均的。
スライム地獄と美容サプリで戦った鬼太郎なんてアニメがあるのだから何とも言えないが…
勝手な懸念2 どうしてものしかかってくる、尺の問題
じゃあ大人向けに売ろう！枠は深夜だ！
深夜であれば残虐な描写はいくらでもできそうだし、キャプ翼やジョジョにできたのだから肉にできないわけがない。
キャプ翼は深夜で1年＝4クール放送しているので、深夜だからと1,2クールだけやってハイおしまいということはないだろう。
仮に子供向け問題を乗り越えて、日曜朝とかでやれるにしても、あそこでやるなら最低1年くらいになるんじゃないだろうか。
そういえば松太郎は見てないけれど、あれは2クールだったっけ……えっもう6年前の作品！？
じゃあ仮にキン肉マン新作に4クール確保できましたとして、困った問題が浮かんでくる。
1.最初から丁寧にやると、尺が足りない。
2.無量大数軍編からやると、キン肉マンの出番がない。
1.の最初から話を描いていくパターンで考えてみるとこうなってくる。
怪獣退治編はあまり描かず、キン肉マン・テリーマン・ミートくんの3人を揃えるアニオリの第1話で終えてしまってもいいだろう。
じゃあ第20回超人オリンピック・海外遠征・第21回超人オリンピックも短くまとまりそうで全然そんなことがない。
第20回超人オリンピックは6話は欲しいし、海外遠征は切りつめても話が長い。本戦も試合数を考えると6話では収まらず、8話くらいかかってしまう。
7人の悪魔超人編は短い試合も多いとはいえ、試合数が多いので馬鹿にならない試合数になる。
悪魔超人登場～キン肉マンVSアトランティスで7,8話くらい。ミラクルズVSディアボロスも3話はほしいか。
黄金のマスク編になると1試合ずつが長くなってくるので、キン肉マンVSアシュラマンまでが9話くらいで、悪魔将軍戦も3話くらい……。
さてはて、まだタッグ編と王位編が残っているのに数えるのも馬鹿馬鹿しい破産状態。
こればかりはもうどうしようもない。
残りの尺でタッグ編を描いて4クールはおしまいになるだろう。
試合をいくつかオミットしたり、第1話から悪魔超人編にワープしたとしても、王位編までを描くのは無理というもの。
じゃあ、2.の無量大数軍襲来からアニメを始めるとする。
そうして用意したものがこちらになります（3分クッキング）。
1話 無量大数軍襲来
2話 マックス・ラジアル戦
3話 三つ巴対抗戦開始 ターボメン戦
4話 クラッシュマン・ダルメシマン戦
5話 マーリンマン戦
6話 ピーク・ア・ブー戦
7話 武道戦 第二陣襲来
8話 クラッシュマン戦
9話 マーベラス戦
10話 ジャック・チー戦
11話 ジョン・ドウズ戦
12話 ポーラマン戦
13話 ネメシス戦
14話 始祖登場 ミラージュマン・アビスマン戦
15話 ペインマン戦
16話 ガンマン戦
17話 サイコマン戦
18話 シングマン戦
19話 カラスマン戦
20話 ジャスティスマン戦
21話 国立競技場へ
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おお、これだと4クールどころか3クールで綺麗に終わりそうな感がある。
1話で終わるにはもったいない試合から、1話もかからない試合もいくつかありそうとはいえ、
そこらへんは頭のいいアニメスタッフの方々が何とかしてくれるだろう（何）。
4クールやるのであれば尺にはだいぶ余裕を持って進められんこともない。
そうなると懸念点としては、「1人あたりの試合数が少ない」「これまでを知らない人への説明を放棄せざるを得ない」あたりが浮かんでくる。
このシリーズはだいぶ面白いとはいえ、上の予定表みたいな感じで進めていくと、キン肉マンが2クール分くらい試合をしない期間が生まれてきてしまう。
この漫画のタイトルはなんだ？ これまでを知らない人を完全に無視した割には強気だ。
1回しか試合をしないキャラも多い。商業的に考えてかなり痛いし、どこを残してどこを活かすかの話にもなりかねない。
続編だけでアニメ化するのは、やっぱり難しい。
勝手な懸念3 文化・表現の問題
そりゃあねえ……。
ジョジョではナチスドイツというワードをぼかしてたらしいし、なんとかなるかも？
ただ、国外に輸出しにくいといえばそう。
テリーマンが義足だったり、アシュラマン戦で腕がもげたりする描写とか、女房を質に入れるなんてセリフも怒られたりしないだろうか。
キン肉マン無印 全36巻を全4クールに収めきれるか？
新章からのアニメ化は難しいという結論が出てしまった以上、アニメ化するなら最初からかな……と思ってしまった。
現行作品である新章よりも無印の方がピックアップされている現状を鑑みると切ないものの、こればかりはもうしょうがない。
一度、「無理です」と言わざるを得ない結果が出てしまったものの、ぎゅうぎゅうに詰め込めれば、全36巻を4クールに収めきれるはず！
朝やるかゴールデンタイムか深夜にやるかは別として……
仮に朝やるんだとしたら、トリコとかのように2年目・3年目を考慮した悠々あるスケジュールで作っていくんだろうけど、もうこの際しょうがない。楽しそうだし考えてしまえ。
・1話 キン肉マンとテリーマンとミートくん登場
・2話 ロビンマスク登場 第20回超人オリンピック開幕 ロビンマスクVSカナディアンマン ラーメンマンVSブロッケンマン
・3話 テリーマンVSスカイマン キン肉マンVSカレクック
・4話 キン肉マンVSラーメンマン テリーマンVSロビンマスク
・5話 キン肉マンVSロビンマスク
テリーマンの義足関係は本筋にあまり関係ないので、キン骨マンごとオミットしたい……
そうするとテリーマンの足はスカイマン戦で負傷。テリーが負傷を隠すためにロビン相手に反則技使うことになっちゃうのだった。卑劣！
・6話 海外遠征開始 48の殺人技習得 VSジェシー・メイビア
・7話 VSロビンマスク（2戦目） タッグ戦は省略（ザ・マシンガンズ結成せず……！？）
・8話 第21回超人オリンピック開幕 ウルフマン登場 ウォーズマンVSティーパックマン～キン肉マンVSキングコブラ
・9話 ウォーズマンVSペンタゴン キン肉マンVSウルフマン
・10話 キン肉マンVSベンキマン ウォーズマンVSラーメンマン
・11話 キン肉マンVSウォーズマン
・12話 同上
海外編を必要以上にカットした上に、オリンピック予選を丸々カット。
1クール目も中々いい感じに終わったんじゃないでしょーか。
・13話 悪魔超人襲来 VSステカセキング
・14話 VSブラックホール 正義超人集合 ウルフマンVSスプリングマン
・15話 ロビンマスクVSアトランティス ブロッケンJr.VSミスターカーメン
・16話 ウォーズマンVSバッファローマン テリーマンVS魔雲天
・17話 キン肉マンVSアトランティス モンゴルマン登場
・18話 ミラクルズVSディアボロス スプリングマン退場 キン肉バスター破りまで
・19話 バッファローマン戦決着
・20話 黄金のマスク編 VSスニゲーター
・21話 VSプラネットマン
・22話 ロビンマスクVSジャンクマン
・23話 ブロッケンJr.VSザ・ニンジャ
・24話 テリーマンVSアシュラマン
・25話 ジェロニモVSサンシャイン 悪魔将軍登場
・26話 キン肉マンVSアシュラマン
・27話 バッファローマンVS悪魔将軍 キン肉ドライバー完成
・28話 悪魔将軍戦
・29話 同上
悪魔将軍戦に時間が割けないのがややもったいない……
・30話 タッグ編開幕 ジェロニモの超人化は省略 マッスル・ブラザーズVS四次元殺法コンビ
・31話 2000万パワーズVS殺戮遊戯コンビ
・32話 超人師弟コンビVSヘル・ミッショネルズ
・33話 ニュー・マシンガンズVSはぐれ悪魔超人コンビ
・34話 準決勝 マッスル・ブラザーズVSはぐれ悪魔超人コンビ
・35話 2000万パワーズVSヘル・ミッショネルズ
・36話 決勝戦 マッスル・ブラザーズVSヘル・ミッショネルズ
・37話 同上
タッグ編がたった8話……余韻が、余韻がない……。
・38話 王位編開幕 VSホークマン
・39話 VSミスター・VTR VSミキサー大帝
・40話 ミートくんVSミキサー大帝
・41話 テリーマンVSキング・ザ・100t
・42話 ロビンマスクVSマリポーサ（知性チームVS剛力チーム戦や、残虐チーム集めは合間合間で片付けておく）
あっこれは……
・43話 技巧チーム戦 VSザ・マンリキ
・44話 VSモーターマン VSバイクマン ザ・ニンジャVSサタンクロス（アシュラマン戦はダイジェスト）
・45話 ブルー・インパルスVS技巧チーム大将戦
・46話 同上
・47話 残虐チームVS知性チーム ブロッケンJr.退場
・48話 同上 バッファローマン退場
・49話 同上 決着
無理だ……
・50話 完璧マッスル・スパーク開発
・51話 知性チーム戦 キン肉マンVSサタンクロス
・52話 ラーメンマンVSプリズマン
・53話 ジェロニモVSジ・オメガマン 地下道はカット イリミレーション・ルーレット・マッチ開幕
・54話 ロープワーク・タワーブリッジ ロビンマスク退場
・55話 ネプチューンマン退場
・56話 最終決戦
・57話 最終決戦 完結
無理でしょ…………
ええまあ、全36巻を4クールに収めるのはどう考えても無理です。
悪魔超人編をすぐに始めればなんとかなるだろうけれど、尺だけがどうにかなっただけで、話が駆け足に駆け足気味のキュークツなアニメになってしまう。
1話で収まらない試合も多いのに、1話に収めざるをえない話もあったりするし、
下手にカットしまくると、仮に2年目突入した際に完全に崩壊する。
とはいえ、主要アイドル超人軍がしっかりと試合をしているので満足度は高いんじゃないでしょうか。
……というわけで、キン肉マンの再アニメ化をするにあたっては、
・子どもに真似されたら困るので、なんとか目につかない枠で。
・新章からのアニメ化は新規層に対して過剰に厳しい。やるなら無印からやってもらうべき。
・特にカットなどしない限りは、無印だけでも最低5,6クールはほしい。
の3つが必須条件になるんじゃないでしょうか！
2年目突入前提の悠々したスケジュールでがんばってほしいものです！
がんばれ、アニメスタッフ！がんばれ、ゆでたまご先生！
