ウツボよおどれ

livedoor→livedoor→はてな(イマココ)

ネタバレ騒動についての所感

 

 

※ちゅうい

はてなブログは文中の単語を勝手に拾ってリンクする仕様のため、大っぴらに固有名詞を出すのもはばかられました。(ポジティブではない記事内容なので猶更)
なので、作品名を「この作品」とか、先生のお名前を「作者」とか、置き換えながら書いてました。
この検索避けみたいな行動にどれくらいの効力があるのかはわかりませんが、再度置き換え直すのもどうにも手間なため、以下の文中で固有名詞はあまり出てきません。

 

あと、長く、ただ長いだけの感想文なので、実のある事は一切書いてません!マジで!

これだけはご理解ください(予防線)

 

 

 

 

 

ブログでお気持ち表明しないでどこでお気持ち表明するんだという気持ちで。

 

例の騒動が起きてから1ヶ月経ちました。
騒動始まってまだ先の見えないタイミングで、しっかりまとめてブログにまとめることは色々と難しいので、1ヶ月経っても解決してなかったらブログにまとめようと考えました。
作者のTwitterはもうフォロー外してしまったので逐一すべての動きは追えていないけど、周囲の様子を見るに、まあ……

ここしばらくの動きのなさや全体の様子を見ているに、ここからはもう、公式側は何か動きが出ることはなさそう。
で、読者が公式に各々どう向き合うかという段階にシフトしている気がします。

 

問題そのものについてはもっとわかりやすいところが正しくまとめてると思うので、そっち見てください。
自分が気になった部分をまとめると、この3つです。

 


1.作者のネット利用について

そりゃ、まず自分のネット利用が褒められないのですが。

 

問題が起きた時、早い所収束してくれればいいなーと思いながら様子見をしていた感がありますが、作者の言動を見ていると「これは無理だ…」と早い段階から思えてきていました。
一般にTwitterでの炎上が起きた時、とりあえずすぐに謝罪するか、下手には動かず待つか……のどちらかだと思いますが、今回の場合、騒動が始まってしばらくは炎上しているという認識もなかったのではないかのように色々と動いていました。

 

それも単に発言を繰り返すばかりではなく、アグレッシブに。
・ブロックやリツイートなどに積極的に動いてフォロワーの心情を揺さぶった。
・個別のリプライで情報を出したり、場合によって内容が違うため、問題の全貌や公式の認識・見解を把握するのが難しかった。
・「5分で消費発言」が声明とは別にツイートされたため、その発言だけが独り歩きしてしまった。
Facebook

 

特に5分で消費がなんというか……初めて見たときは目を疑った気がします。
この発言が声明の中に含まれていれば意図を理解するのは難しくなく、もう少し理解を得られたと思うんですが、先にツイートを見て悪印象を持ってしまった状態で声明を読んだ人も多いと思います。
その声明の中で、「自分の作品は最初から最後まで読んでもらえればもっと面白いのに」という旨のことを言っていたのに、声明として伝えたいであろう内容を自ら切り取るのは、なんというか。

 

また、この動きが1日だけであればまだしも、少し長い間続いてしまっていたので、
出版社側が作者の手綱を握れていないんじゃないかなーという気も…

 

 

2.スクショ禁止とネタバレ禁止の同時進行


スクショ禁止については作者出版社の当然の権利だろうけども、ネタバレ禁止は後を追うようにいきなり出てきました。

 

ネタバレ感想が発売前の土曜日に溢れかえっているのであれば、公式から踏み込むのは当然だし、
数年ぶりの新作や大作映画とかであればネタバレに敏感な人が多いのもわかりますけども、
毎週月曜日0時に無料公開されているもののネタバレについて公式が反応するのはいくらなんでも過剰反応なところ。

 

正確に照準を向けるべきな法の言葉が、どこを向いているのかわからない状態で剥き出しになってしまったので、
読者側にも強い忌避感・不快感を感じた人は多かったと思いますし、
多くから理解を得られるスクショ禁止と、賛否分かれるネタバレ禁止が同時に出されてしまったので、
2つの話がごっちゃになったり、どちらか片方しか問題が起きてないと思われたりと、余計な混乱を招きました。

 

 

3.作品以外のところへ飛び火

 

ネットニュースのほか、テレビのニュースにも取り上げられた……だけで済めばよかったのですが、
アプリ版の編集長が意見に賛同した結果、アプリ版も感想禁止なのではないかという話になってアプリ版読者が一気に自粛ムードとなったり、
色々な創作者の方が自身の作品についてはどうなのかを話題に出されていたりしました。

 

正直アプリは無料でweb公開している漫画を数週遅れて掲載しているよくわからない環境でもありますが、
このツイートのせいで、作品とそのファンだけの問題が、関係のないところに広がってしまった感もあります。

 

色々な方々による、自身の作品の取り扱いについてのガイドラインの明示はわかりやすかったですが、
こちらが声明や要請を出したのに対し、他所はガイドラインをただ出せばいいだけという違いも大きいですね。
そのせいで、ガイドラインを出すだけで株が上がっていくような現象は少し感じました。

 

 

 

起きてしまった問題はしょうがなく、覆水盆に返らずで、ここからは自分の気持ちです。

 

自分がこの漫画に触れたのは5年くらい前です。
色々な作品に触れてきても、いまいち燃えるようなところがないようなオタク人生を送ってきた自分にとっては、結構衝撃的な作品でした。
毎回読むたびに新しい発見があって飽きず、古い作品なのにスイスイとのめりこんでいける。
単行本を買い、グッズを買い、イベントに参加し、考察をして、本当に充実していたと思います。
人生哲学というと大層な感もありますが、男の生きざまみたいな作品内容には大いに感銘を受けました。

 

リアルにおいても、たとえば「深夜アニメ大好きです!」みたいなことはそう大っぴらに言えることでもないのですが、この作品であれば臆せず言えることができたんです。
自分の年代でこの作品を嗜んでいる人はいないので、目上の人や周りの人から(良いのか悪いのか知らないけど)注目され、コミュニケーションツールとしての役割もあったくらいです。

 

あと、アニメのOPを口ずさんだりとか、自分で勝手にストーリーや必殺技を考えたりとか。
毎週毎週の更新を本当に楽しみにしていました。

 

 

 

詳細な時系列まで覚えていませんが、
騒動が始まる発端のツイートを見た時、「何言ってるんだろう」と思いました。
作者が自身の作品についてTwitter上でなんらかの声明を出すことはさほど珍しくないですが、
漫画は読んでいても作者のTwitterをフォローしていない人は多いはずなのに、ネタバレや感想という広範囲なところは縛ろうとするのは無理なんじゃないかと思いました。
せめて、ビューアーで漫画が始まる前のページでそんな案内が出るなら別だと思いますが。

 

その後、「3日間ルール」が飛び出してきますが、こちらも冷ややかに思っていました。
なにせ情報発信源が「質問に対しての作者から来た個別のリプ」というものなので、作者のTwitterをフォローしていたとしても見ていない人のほうが多いと思います。
ルールを出すのであれば広い形じゃないと誰も守ってくれないんじゃないんでしょうか。
また、騒動以前から作者のTwitterの使い方がいまいちに思えており(※)、どうにも感情的な部分が感じられたため、出版社や別のスタッフからのしっかりとした発言を待っていました。

 

※主にアニメ化の部分です。
そりゃあファンとしてアニメ化したらいいなとは思っていましたが、少し前に似たようなアニメムービーが公開されていましたし、
子供向けの朝にやるか、大人向けの深夜帯にやるのか、一からやるのか、新章からやるのかなど、アニメ化するにもあまりビジョンが見えないこと、
初速はそれなりにあったものの、そこから時間が経っても作者直々にアニメ化希望の声を高頻度で上げているので、「声かかってないんだな」と推察できるところなどで、応援しにくい気持ちになってきていました。

 


このあたりに更新が1回あったかと思いますが、感想ツイートをした覚えがないです。
別に心の底から「感想を言ってはいけない」と思っていたわけではありませんが、「青信号 みんな渡らないから 渡らない」な気持ちで様子見していたと思います。

 

それでもう少し待っていたら、公式より声明が出ました。
確かその時、お酒を飲みながらマリオカートをやっていたので全文流し読みし、「公式から声明出たなら大丈夫やろw」くらいに思ってました。
そのあと、声明に対する反応を見てみたら、「ネタバレしたら訴訟なのでは?」とか「スラップ訴訟なのでは?」とか、話がまとまるどころかさらに大きくなっていました。
5分で消費発言が出てきたのもこのあたりだったような。

 

 

この件について、「訴訟されるので感想を言ってはいけない」と心の底から本気で思ってる人はいないと思います。


ただたとえば、今週の話が「あのキャラの父親が●●だったとは!」とします。
「うっわっ!!!!!」「エッッッッモ!!」「ここで■■巻の台詞が生きてくるじゃん」「毎週毎週が一番面白い漫画だ…」「今△△は何やってるのよ」とか、いろんな感想ワードが出てきますが、画面に向かうとどうも実際にツイートする気になれない。
梅干しを見たら唾液が出るように、ツイートを打ち込むと「ネタバレ訴訟」の文字が浮かんできます。
これが浮かんでくるとどうもネタバレに配慮した文章を打たなければならない気がします。

 

一番怖いのが、外側から噛みついてくる人です。
自分だって、同じ漫画を読んでいるフォロワーにネタバレをぶつけないくらいの配慮はできますが、
フォロワー外の人にはさすがに配慮できないし、噛みつきだけの愉快犯が出る可能性があると思うと、厄介です。何事もまず悪用から始まるんですかね。

 

 

次いで、作者による反対意見をする人をブロックしているのが明らかになったり、賛成意見をリツイートしていたりとか、Facebook上での発言なども出てきて……
自分の感情もかなり悪い方向に傾いてきていました。

 

この漫画は月曜0時に一気に盛り上がり、トレンドに載るのが風習というような楽しみ方がありました。
毎週毎週をもっとも盛り上げて次週に引っ張る作風と、盛り上がれば話題になるTwitterの特性はきれいに合致していた感があります。
盛り上がって話題になれば、次もまた盛り上がって話題にしたくなるという、グルーヴのようなものがありました。
単純に毎週webで無料公開している漫画は多数ありますが、高い盛り上がりを長期的に維持できていたのは、この漫画の地力によるものでしょう。

 

この漫画でネタバレを踏んだことがあまりないので、ネタバレが嫌な人の気持ちはよくわかりませんが、
上述したように、本来の公開日をフライングしたようなネタバレが頻発しているわけでもなければ、この作品自体が公開に年単位の間隔があるような大作というわけでもないので、
ネタバレを取り締まろうという行為そのものが重箱の隅のような感じがあります。
ネタバレが気にならない人と、ネタバレが嫌な人、作者や会社などの間でネタバレの意味がすれ違っている気もしますね。

 

ネタバレが嫌な少数の読者や、スクショが嫌な作者の状況を改善するため、
作者直々に動いた結果、会社ともども、曖昧な認識で大鉈を振るって取り返しのつかない刈り取りをしてしまったような……そんな感じがありました。

 

 


自分にあった、作者や作品にあった気持ちも次第に枯れていきます。
さっきは悪印象が出てきたといいましたが、その悪印象すら枯れていったのです。

 

1.読んでいても以前のテンションが保てなくなり、作品自体への熱量が下がった。

 

まあ、当然というか…。

さっき梅干しの話をしましたが、
現在連載している分を今後読み返す際、まず最初に思い出すのは今回の騒動によるほろ苦い思い出です。

自分は悪い意味で記憶力が良いところがあり、本日もイベントにて山ほど買った同人誌を整理していた時、表紙を見ただけで「このサークルの人、あんな印象だったな」「感想を言おうとして変なこと言っちゃったな…」という記憶がスイスイ出てくるので、まあ、今後この漫画と向き合うだけでも出てくるでしょう。
連載中の作品でこのようなことが起きると、作品と騒動が結びついてしまうため、楽しむのに努力がいるような感があります。
自分の人生観に影響が及ぼされるレベルでのめり込んでおりながら、部分によっては冷めて見ていた作品だったので、猶更。

 

 

2.今後、かつての盛り上がりは帰ってこないだろうから。


もし、「漫画の出来が最悪だった」という騒動であれば、作者に何とかしてくれと物申したくはなりますが。

一般に、改善を求める不満意見とか、謝罪を求める運動とか、そのへんのなんだとかは問題に改善の余地があるからする・できるのであって、
「盛り上がりがなくなった」ことに対しては声を上げてもどうしようもありません。
時間犯罪者にでもならない限りできないことをやるためのエネルギーは、正のエネルギーだろうと負のエネルギーだろうと沸いてきません。

 

もしも謝罪とか発言の撤回がされたとして(念押ししますが、謝罪とかをしてほしいというわけではないです)、
Twitterなどネットの場がこれまで通りに盛り上がれるかというと、相当時間がかかるのではないかと思います。

 

訴訟するといった発言を撤回するとスラップ訴訟というものになってしまうとか、
作者の発言は半分賛否両論でも残り半分は正当なので撤回される気もせず、
観測している範囲でも問題そのものへの続報が来ないので、このまま風化するまで待たれているんじゃないかなーという気も。

 

 

3.作者が悪いだけという話でもないから


いやまあすごく偉そうなことを言いますが、この騒動は中立的な視点というか、喧嘩両成敗的な意見があんまり見られませんでした。
すごく偉そうですが(大切なことなので2回言いました)。

 

バズっている記事の内容はおおむね「スクショなど一部分は正しいが、原因は作者や出版社サイドにある(ので、嫌になった・冷めた・読むのをやめた)」とか。
作者などを悪く言わずに肩を持つような意見も、どこか目をそらしていたり、軸がずれてたりとか。
大体が上記どちらかに分かれていたと思いますが、ある中立的な意見を見ました。

 

具体的な内容は伏せます。その人と交流があるわけでもないし。
その意見をした方が本当に中立サイドにいたかはわかりかねますが、
自分は読んだときに胸がすくような気がして、そして単純に「もうあれこれ考えるのやめよう…」と思いました。

 

 

 

ただそれはそれとして、自分の気持ちは作品についていけてないです。
更新日を普通に忘れてしまうし、作者をフォロー解除してしまうし。
キャラをデザインしたマスクは使っているけど、ただのマスクという印象だし、目覚ましのアラーム曲も変更しました。

 

少し前は「5年かけて自分が味わっていた作品が損なわれるってどうなんだ?」と不安に駆られていましたが、
いざ損なわれてみると、なくなっても大したダメージは受けてないんですね。
腕の一本、脚の一本がもげたわけじゃなくて。本日、何の感慨もなく、本棚の大半を占めていた単行本をダンボールに詰めて片付けることができてしまいました。
「人生においての聖典」な優先度が、「読んでたなあ」くらいの優先度に変わったかな?というレベル。

 

上で色々書いてきましたが、この問題そのものはとっくに一段落していて、「読者は一連の騒動を許せるか?」という段階にきたんじゃないでしょうか。
雑誌への移行があったからweb掲載の終了をずっと危惧していましたが、なくなってないですし、連載が打ち切られたわけでもまったくないです。
作者からもネタバレについて緩和の動きがある程度出てきているし(ツイートは削除されたけど)、最近は続報もないので、早くも風化が始まってきています。
発言自体の撤回ができないだろうしされないだろうしで、なあなあに終わりそうな気がしてきました。

 

仮に作者側などを糾弾し続けても糠に釘だろうし、全体の感想量が減ったくらいで作品そのものは楽しめる。
じゃあどうしましょうか?という判断をするにあたって、自分はもう読まなくてもいいかなという気がしました。

 

自分をオタクとして成熟させてくれた作品!感謝!という気持ちももうあまりありませんし、
自分は改善を求める不満の声が忌憚なく口汚く出てしまう部類ですが、最近はもう出ないです。すっかり。

 


一番のショックは、作者の発言か、ネット上での盛り上がりがなくなってしまったか、どこから来たのか自分自身よくわかりません。
あれだけ楽しんできて、冷え込む時は早急って現金な気はしますし、
パッと離れられてしまったのも、「結局自分の”好き”はその程度だったか…」と底の浅さと感情の薄さを実感します。
とりあえず、この騒動を経て、読むのやめようってなった自分の性格はとにかく悪い。

 

しいて言うならば、「作品と作者を同一視するとダメージを受ける」と言いますが、あれは漫画とか一部の分野には適用されない気がします。
映画とかゲームに関わっている人のうち、印象が最悪な人がいたとしても、実際に作品に触れるとそこまで気になりません。
その人が関わっていたり、その人の色が出ているのは全体の半分にも満たず、高くてせいぜい10%もないんじゃないでしょうか。
なので気にならない気がしますし、同一視しないことも無理ないと思います。

ですが漫画といった媒体は、作者がかなり濃く作品に出てくるんじゃないかと思います。
●●節とか、●●先生特有のこだわりとか、●●先生の作品は世界観が共通しているみたいな。
編集者などの介入の余地はあれど、9割近くを作者が担当しているので、ある種当然。
浅瀬で楽しむならいいんですけど、深く入ろうとするとどうしても作者の姿が見えてくるんですよね。

まあ、同一視の言葉は万能そうに見えてそんなに万能じゃないなあとか、公式を信奉してないと言いにくい言葉だと思いました。

 

この文章を読む人がどう思われるかはわかりませんが、もうあんまり未練はない気がします。
この文章そのものが未練と言われたらオラァ何も言えねえ。
自分個人としては、「特定の作品をこんなに好きになったのは初めてで、これ以上は特定の作品を好きになることないだろう」といったところ。オラァ恋に恋する少女だべか。
なんか、5年間かけて長い夢を見ていたような気持ちです。