鬱子君。
いま君は、大きな苦しみを感じている。
なぜそれほど苦しまなければならないのか。
それはね、鬱子君、君が旧裏を探求しようとしているからなんだ。
「強風オールバック」を聴いたから「突風オールバック」。ウマ娘やプリキュアをイメージしたデッキを組んでほとんど誰にも理解されず、2023年になっても麻宮アテナの好物を未だに覚えていて鍵ネタを擦る。
そんな挙句にこちらが知らない初対面の人から「変わったデッキを組む人(オブラート)」と認識されてしまっているのは、君が旧裏を強く探求しようとしているからだ。
旧裏ってものの、あるべき姿を信じているからだ。
さあ、鬱子君、いまこそ答えを見つけよう。
ここには、私が決してゴマ化すことなく考えてきたデッキと研究が記されている。
このデッキを組むためにそこまで関心もなかった『君たちはどう生きるか』を観に行った自分はどうかしている。
でもハレツーで3勝できる気がしている。
・概要
どうも、平成狸合戦うつこです。
最近、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』が流行っているので、これを旧裏で再現できないかと思いました。
最初は”たち”つながりでオオタチデッキを考えました。
知っての通りオオタチは旧裏指折りの脆弱カードです。
※デッキ自体の内容はすごく適当です。
にげ1なのでドードリオ、低HPですぐに○ぬのでおんねんゴーストと組み合わせれば形になりそうですが、こんなデッキで戦いたくないのでやめました。
というか、「どう生きるか」と問いておきながら「○んで勝利に貢献しろ」というのはいかがなものでしょうか。
ん?ドードリオとすぐきぜつするポケモンとゴースト、なんだか書いていて嫌な記憶が蘇ってくるような。
そんなしょうもない記憶は絶ちたいものです。しかし、変なデッキを組みたい欲を断ち切れない中で時間ばかりが経ち、タチの悪いアイディアが浮かんでは霧散していきます。
そこでようやく1つのカードに行き着きました。
マチスズメです。
よく見てください。
下技の名称は「かまい”たち”」です。
これに気づいたこの日から――鬱子は少しずつおかしくなり始めた。
ただマチスズメは強いのであまり難しくなさそうな気もします。
HP50、1エネでふきとばし、2エネでコイン次第の40点、そして逃げ0。旧裏でもかなりスペックが高い部類のたねポケモンです。オオタチより強そう。
・考察
相手の出したたねが1匹だったらニコタマ+プラパorクチバジム+かまいたちで勝てます。
コイン次第というのが唯一にして最大のネックですが、エリカのプリンに匹敵する素点40によってHP60ラインも視野に入れてのワンキルができるのは大きいでしょう。
もちろん世の中そんなにうまくいくわけがないのでワンキルに失敗した時のプランを考える必要があります。
とりあえず進化先であるマチドリル(マチスのオニドリル)について考えてみます。
・強そうなところ
1.進化前ともどもにげ0。
2.クチバシティジムによって強化ができる。
3.わしづかみによって呼んだ相手を許さずにそのまま倒せる。
4.1進化でHP70。
5.ニコタマは必須だが無色ポケなので色拘束なし。
6.闘抵抗。
2.のクチバシティジムはあまりメリットとは言い難く、コイン裏だったら自爆してしまいます。4.ではHP70と書きましたが、この耐久を活かそうとするとクチバシティジムは採用できません。
3.のわしづかみは突風効果と合わせれば後ろの置物を確実に倒せそうですね。
ん?突風効果と逃げられない効果、なんだか書いていて嫌な記憶が蘇ってくるような。
まあ、エネのついてないポケモンやなんらかの置き物を呼べばそのままいたぶることができるのは確かです。よって呼び出し手段を意識しながら組みたいところです。
5.に書いている通り無色ポケモンなので色拘束は緩いですが、どうせならニコタマを活かせるポケモンが欲しいです。
・弱そうなところ
1.火力に乏しくて相手を倒すことが困難。
2.単体ではただ単に殴ることしかできない。
3.雷弱点。
1.の火力面について、クチバシティジムやプラパで強化しても精々4,50点。マシンガンドリルも期待値25点。錆び付いてるのかな?
それでいて2.に書いている通りに殴ることしかできないのだから大変です。
さて構築をがんばるぞーっ。えい、えい、むん!
「オニドリルがにげ0なのでデッキの動きがスムーズ」「ニコタマ共有」「大火力」「雷抵抗」「特殊能力持ち」……。
これらの要素をまとめると、
最適な相方はタケシのサイドンということになってしまうのですが、見なかったことにします。
どうせなら闘弱点が多いマチスのポケモンと組ませてみようと思っても、マチスは他のジムリーダーに比べてサポートが乏しくスペックも厳しいので統一する意義がないです。何より、無理矢理繕ってみてもニコタマが共有しにくい時点で対象外です。
呼び出し能力に長けるのはエリカのウツボットですが、エリカのウツボットはオニドリルを必要としていませんし、やはりニコタマが共有できないので噛み合っていないでしょう。
わるリュウです。
わるいデンリュウは以下の要素を持つカードです。
・特殊能力「かんでん」で相手のエネ貼りを躊躇させられる。
・ショックボルトは雷+ニコタマで撃つことができる。火力自体はやや半端なものの、かんでん、プラパ、悪エネで補うことが可能。
・2進化なので育成する時間が欲しい。
・闘弱点。
「かんでん」はマチドリルのはかない火力をささやかに補い、ニコタマを共有可能。
わしづかみがハマれば時間は容易に稼げるし、しかも闘弱点を補完できていて見事にガッチしています。
さらにわるいデンリュウは雷タイプで悪エネルギーを使用するので、変わり種の呼び出し札であるライコウと定番のヤミカラスが採用できます。
オニドリルはなんらかの呼び出し手段が欲しいし、相手が迂闊なものを差し出せばヤミカラスで縛ることができます。「かんでん」でヤミカラスの遂行速度を速められそうな気もします。
そこまで奇麗な形ではないものの、4枚がそれぞれの穴を絶妙に補っているように思えます。
・デッキレシピ
デッキ名:かまいたちはどう当てるか
殿堂:ハレツー殿堂
以下、カードの個別解説
・メリープライン(3-2-2)
わるいデンリュウ採用型なのでメリープはもちろん無色で攻撃できるneo4です。
あまり想定はしていませんが、悪エネをつけて雷弱点を突けば30点出せるのでプラパを盛ればワンキルできそうです。
もしメリープでスタートした場合は早めにモココへ進化させて相手を妨害しつつ、後ろで新品のデンリュウを育てていきます。
・ドロソ(オーキド4、ウツギ3、ナツメ2、クルミ4、マサキ3)
・サーチ(交換おじ2、礼儀作法2、パソコン通信1)
オーキドとクルミは深く考えずに4、ウツギは撃ったところでプラパ使えないと意味ないので3、無難に引きたいので後はマサキとナツメ。
ポケモンの枚数が控えめなデッキなので交換おじ2枚、礼儀作法2枚。
そして全体的に危なっかしいデッキであるのでパソ通を1枚挿し入れました。
・ロケット団のアジト 2枚
マダツボミの塔対策。
HP80のわるいモココが強そうです。
・エネルギー(雷6 悪4 ニコタマ4)
雷はライコウにつけたりデンリュウで頻繁にトラッシュすることを想定して6枚。
・メタモン(化石) 1枚
このデッキだとかなり悩ましい部分でした。
ヤミカラス1枚+ぎゃくしめい2枚+パソコン通信1枚で1点余りますが、アジトを交えればプクリンに対してわるいデンリュウが戦えるようになるおうごんのみも良さそうであれば、ワンキル重視のカスミのいかりもよさげに見える……。
新殿堂とかだともし1点余ればぎゃくしめいかベイビィが入ってきますが、ハレツーの場合、余った1点を埋めるカードが思いつきにくいですね。
ふと、ニコタマを4枚投入するのであればメタモンがいいのではないかと前日に気づき、ハレツー本番前に秋葉原中を探してなんとか手に入れました。割高でしたが…………。
結果
1戦目 エリウツ(KGさん)
2回くらいマリガンしてお相手に引かせてしまいます。
大量の学習装置やピィに養分吸収を駆使し、殴れる状態のエリウツを場に維持し続けるデッキでした。
メタモンが頑張ってサイド先行したり、悪エネやプラパを絡めて70点出してエリウツを落としたりしつつも、根本的に継戦能力の低いデッキだったので抗えずに負け。
2戦目 メガバナ(excellenさん)
また2回くらいマリガン。
先攻取ってオニスズメにニコタマを貼り、相手のneo1チコリータをかまいたちで落として勝ち。
一応手札にパソ通があったのでそこからプラパを引けば他のチコリータであっても落とせました。
むしろ2回もマリガンを許したのにお相手がたねを追加で出せなかったり、そもそもかまいたちが命中した運の良さに助けられました。
ちなみに再戦した時はワンキルできなかったのでなすすべなく負けました。
3戦目 ひかライ多色マイン(ユリガタさん)
ニコタマは貼れつつもかまいたちでコイン裏が出たのが痛く、そこから拡張ファイヤーを壁にされ、続けざまにエネエネ2回でひかるライチュウが降臨しました。オニスズメが攻撃を1回は耐えてくれることを前提にしているので弱点はキビシイです。
モココに悪1枚つけてのスタンウェーブ2回orデンリュウに悪2枚つけてのショックボルトなら落とせると気づき、モココのHP残り40のところでロケット団のアジトを出せてはいたものの、スタジアム張り替えによって倒される始末。
勝ちの目を潰されたので最後はエネエネ3枚ついたひかライによっていたぶられて負けました。
反省点
構築上の反省点
・ライコウが機能してない(手貼りを条件にした特殊能力と、育成が必要で毎ターンエネトラッシュするデンリュウが噛み合ってない)。ライコウのせいで雷エネが多くなってしまったのも痛い。
・ニコタマを軸にするのか悪を軸にするのか、なんとも噛み合ってないエネ周り。
・マチスのオニドリルが弱い。というか場に出しても1回も技を撃ててない。1人回ししてた時から思ってたけど育てたくなるようなスペックではない。
・闘タイプへの意識や置物狙いがハレツー環境とあまり噛み合ってない。
・そもそもわるいデンリュウもマチスのオニドリルのことをそこまで必要としてなさそう。
構築上のよかった点
・ハレツーのメタモンは強いので殿堂1点の価値はある。
・まだ未開拓な部分が多そうなオニスズメをだいぶ研究できた。とはいえ、底が浅そう。
・デリバードやカモネギ(第1弾)などのイかれたカードに手を出さなかった。(ポスターを見ての通り鳥にまつわるシーンが多い映画なので危なかった)
オニスズメでの1ターンキルを勝ち筋にしているとはいえ、1キルを狙うのかデンリュウで殴り勝つかが定まっていない、半端なデッキになった感は否めません。
というかコイントスへの依存性が高すぎるカードなので、勝ったのは運が良かっただけ、負けたのも運が良かっただけと、運に責任を押し付けられるのはあまりよくないような気がしました。運も実力のうちとはよく言ったものですがね……。
また、対戦後に色々な方の意見を聞いたりしたのですが、わるいデンリュウを使う場合の案はあれこれと出てきて可能性を感じたものの、マチスのオニスズメラインは殴ることしかできないのであまりいい案が出ませんでした。
自分なりにだいぶ研究しつくしたので当面の間使う機会はなさそうですが、ニコタマ4投デッキに1枚くらい挿してもいいかもしれません。
※この記事で使用したカード画像はポケモンカード旧シリーズ検索様のものを使用しております。